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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題10解説

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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題10解説

問1 共同注意

 対象への注意を他者と共有することを共同注意と言います。
 大人が視線を向けたり、指を指した対象を子どもも注意し、これによって言葉を学んでいくとされています。これは問題文にもありますね。

 例えば、大人と子どもが一緒にいる場面で、大人が指などを指して「りんご」と言ったとき、子どももその指の方向を見て、指しているものが「りんご」だと覚えるみたいなやつです。第一言語習得のことは私はあまり知らないので、ここに解説として書けるのはこのくらい。すみません…

 答えは4です。

問2 気づき仮説

 第二言語習得では「気づき」がとても大切だと考えられています。先生から一方的に教わるよりも、自分自身で気づいたほうが理解度も増して記憶にも残りやすい、なんて経験があると思います。この「気づき」についてシュミットは「習得が起こるためには『気づき』が必要である」という気づき仮説を提唱しました。

選択肢1

 「言語形式への注意」が気づきにあたります。これが気づき仮説の記述。

選択肢2

 臨界期に関する記述です。

選択肢3

 クラッシェンのモニターモデルを構成する仮説の一つ「習得・学習仮説」では、教室などで意識的に学ぶ”学習”した知識は、幼児が無意識に学ぶような”習得”した知識にはならないと言っています。これは学習と習得の間には何も関係がないとする立場でノン・インターフェイス・ポジションと呼ばれています。これとは反対に学習と習得の間には関係があり、”学習”した知識は”習得”した知識に移行するというインターフェイス・ポジションもあります。
 この記述はインターフェイス・ポジションの考え方です。

選択肢4

 この内容は分からない…

 答えは1です。

問3 維持リハーサル

 インプットされた情報を忘れないようにとどめておいたり、長期記憶へ送ったりする方法をリハーサルと呼びます。そのリハーサルは次の2つに分けられます。

維持型リハーサル 忘却を防ぐため、情報を短期記憶にとどめておくためリハーサル。忘れないように復唱したり、口ずさんだりする行為など。
精緻化リハーサル 情報を長期記憶に転送するためのリハーサル。長期記憶に貯蔵されている情報と関連付けたり、関連する場面や状況をイメージしたりする行為など。維持型リハーサルよりも長期記憶へ転送される確率が高いです。

 1 精緻化リハーサル
 2 つぶやいて一時的に忘れないようにしているので維持リハーサル
 3 精緻化リハーサル
 4 精緻化リハーサル

 答えは2です。

問4 ワーキングメモリ

 ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持する機能と情報を処理する機能を持った頭の中の記憶領域のことです。

選択肢1

 ワーキングメモリの処理能力(処理資源)は限られています。
 第二言語に限らず母語でもこんな経験あると思います。聴解問題でキーワードになる単語を拾おうと頑張ってたら、単語拾うことに集中しちゃって、文全体の意味がよく分からなくなったみたいな。こういった現象にはワーキングメモリの容量が関わっていると考えられています。
 問題文にあるように、語の記憶に集中するとそれ以外のことができなく(しにくく)なります。この記述は正しいです。

選択肢2

 話をしてるときに、それまで話した内容を保持したり処理したりという能力はやっぱり高齢になれば衰えます。衰えたといっても会話をするくらいだったら若者との違いを感じられませんけど、比較すれば確かに衰えています。この選択肢は正しい。

選択肢3

 母語であれば慣れているので思い出すのも簡単だし、覚えておくのも比較的簡単ですが、第二言語ともなると慣れ親しんでいない言語なので思い出すのも保持するのも難しいです。正しい記述です。

選択肢4

 第二言語を使っているときに簡単な算数の問題なんかやらされると、どっちも不完全になったり、どっちかがおろそかになったり、あるいはどちらもできたとしてもそのスピードが遅くなったりします。慣れてない処理をやるとワーキングメモリをフル活用することになるので、他のことの処理が難しくなります。これは外国語副作用と呼ばれる現象です。この現象は第二言語の使用経験が浅い学習者によく見られます。
 ただし、第二言語の使用経験が十分な学習者は比較的その使用に慣れているので外国語副作用は起きにくくなりますこの選択肢は間違いです。

 したがって答えは4です。

問5 チャンク

 電話番号「XXX-YYYY-ZZZZ」を覚えるとき、私たちは3、4、4という区切りで普通覚えています。まさか1、1、1…という風に覚えている人はいないと思う。
 人が知覚している情報のまとまりをチャンクと呼んでいて、人が一度に覚えられるのは7±2チャンクや4±1チャンクと言われています。携帯電話を9チャンク(9つの区切り)で覚えるよりも、3チャンク(3つの区切り)で覚えたほうが圧倒的に覚えやすくなるはずです。だから私たちは習慣的にハイフンをつけて区切っているわけです。
 このようにチャンクを作って覚える記憶術をチャンキングと言います。

選択肢1

 チャンクと関係無し。これなに?

選択肢2

 「必ずしもそうとは限らない」という表現を副詞「必ずしも」、指示詞「そう」、引用「とは」、述語「限らない」みたいに4つのチャンクに分けて覚えるのは結構辛そう。実際この表現は「必ずしも~とは限らない」という一つの定型表現として使われることが多いので、これを1チャンクとしてみなし覚えたほうが効率的です。それぞれ分割して覚えている人より「必ずしも~とは限らない」を定型表現として覚えている人のほうが発話が流暢になりやすい。
 この選択肢は正しいです。

選択肢3

 チャンクと関係ありません。

選択肢4

 おそらくプライミング効果のことを言っています。

 答えは2です。




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