気づき仮説(noticing hypothesis)
シュミット(R.W.Schmidt 1990)が提唱した気づき仮説(noticing hypothesis)とは、第二言語習得において、言語習得を促進するには学習者自身が言語形式に気づくことが重要であるとする仮説のことです。
第二言語を習得するためにラジオやニュースを聞いたり、雑誌や新聞を読んだり、アニメやドラマを見たりする学習者がいますが、このようにしてただインプットに触れるだけではそのインプットの中にあるものを習得できるとは限りません。また、インプットは学習者にとって理解可能なものでなければならないのですが、理解可能なインプットであっても全て習得できるとは限りません。習得には、理解可能なインプットを中間言語の再構築のために取り入れる必要があります(中間言語の再構築のために取り入れられたインプットはインテイクと言います)。そして、気づき仮説ではインプットがインテイクになるためには「気づき(noticing)」が重要であると主張しています。
参考文献
大関浩美(2010)『日本語を教えるための第二言語習得論入門』69-70頁.くろしお出版
小柳かおる(2004)『日本語教師のための新しい言語習得概論』120-121頁.スリーエーネットワーク
迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』104-105頁.アルク
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