【練習問題】(348)拘束形態素
拘束形態素が含まれる例として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
1 虫眼鏡
2 脆弱性
3 紙吹雪
4 亀仙人
↓
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解説
意味を持つ最小単位を形態素と言い、そのうち単独で現れることができないものが拘束形態素です。
1 虫+眼鏡 (自由形態素+自由形態素)
2 脆弱+性 (自由形態素+拘束形態素)
3 紙+吹雪 (自由形態素+自由形態素)
4 亀+仙人 (自由形態素+自由形態素)
したがって答えは2です。
コメント
コメント一覧 (12件)
動詞や形容詞は語幹とそれ以外のそれぞれが拘束形態素と赤本には書いてありましたが、そうだとすると贈りは贈・り、でそれぞれが拘束形態素ではないですか?
>にんさん
コメントありがとうございます。
現代日本語文法①には、「受けます」のうち「受け」は自由形態素、「ます」が拘束形態素であるとの記述があります。連用形「受け」が自由形態素でしたら、「贈る」の連用形「贈り」も自由形態素です。
お返事ありがとうございます。
私も語幹は自由形態素かなぁ、と思っていたので、赤本には、語幹も接辞もそれぞれが自由形態素だというのは疑問がありました。
ただ、贈りますは1グループですので語幹は贈ですが、受けますは2グループですので、語幹は受けです。
その視点からしても、やはり贈るの語幹ではない、「り」の部分は拘束形態素になるのではないかと思います。
しつこくてごめんなさい。私は別にどちらでも良いのですが、真実を追求したくて。。生徒に質問されたら、やっぱりきちんと答えたいので。
失礼しました、先ほど送ったコメントに誤りがあります。
「赤本には、語幹も接辞もそれぞれが自由形態素」でなく、
「赤本には、語幹も接辞もそれぞれが拘束形態素」の誤りでした。
>にんさん
接辞は他の言語形式に接続して機能し、他の言語形式が無ければ現れることができないという特性を持っています。使用が”拘束的”ということで拘束形態素と呼ばれています。
「贈った」の「た」や「贈ります」の「ます」など、動詞語幹の後ろにつくものは屈折接辞と呼ばれ、これも接辞の一種です。ですから「ます」は拘束形態素で間違いありません。
仮に語幹「okur」も拘束形態素だとすれば、「贈ります」は2つの拘束形態素からなる語ということになります。しかしそれはあり得ません。単独で使用できる語は必ず一つ以上の自由形態素を持っているからです。
ですから逆説的に動詞語幹は自由形態素であることになります。
こんにちは。
就職率の率は自由形態素ではありませんか?
例えば「この仕事は率が悪い」
このような使い方は間違っているのでしょうか?
>三郎さん
「率」をどのように使うかによって自由形態素か拘束形態素か分かれます。
おっしゃる通り「率が悪い」というときの「率」は単独で用いて意味を持つので自由形態素ですが、「就職率」のように何かの後ろにつく「率」は拘束形態素です。
同じ漢字だとしても使い方によって変わります。
ありがとうございます。
自由形態素であり、特定の組み合わせによっては拘束形態素である語もある、ということですね。
この特定の組み合わせの、何か見分け方などはあるのでしょうか。
ご教授いただけたら幸いです。
>三郎さん
拘束形態素の代表的なものは接辞ですから、「就職率」の「率」のように接辞になっているものは拘束形態素です。
ありがとうございます。
接辞が拘束形態素であることは理解しています。
「就職率」の「率」が接辞であるか語基であるかの判断はどうすれば良いのでしょうか。
何度もすみません。
>三郎さん
接尾辞であれば何かの後ろについていますのでそれで判断できます。
「就職率」は「就職」の後ろについていますから接尾辞です。
「率が悪い」は何にもついていませんから接辞ではありません。
ありがとうございます。
”接尾辞であれば何かの後ろについていますのでそれで判断できます。
「就職率」は「就職」の後ろについていますから接尾辞です。
「率が悪い」は何にもついていませんから接辞ではありません。”
これでは選択肢4の「贈り物」の「物」が接尾辞、拘束形態素になってしまいませんか。