開音節(open syllable)
開音節(open syllable)とは、母音で終わる音節、あるいは尾子音をもたない音節のことです。日本語の音節はそのほとんどが開音節構造です。
(1) しろ [ɕi . ɾo]
(2) ひかり [çi . kɑ . ɾi]
(3) 君の名は。 [ki . mi . no . nɑ . ɰɑ]
音節境界を [.] で示しました。例えば「しろ」は「し」と「ろ」の2音節に分けられ、それぞれの音節は母音 [i], [o] で終わっています。「ひかり」も [çi], [kɑ], [ɾi] 、「きみのなわ」も [ki], [mi], [no], [nɑ], [ɰɑ] と全部母音で終わってます。これらは全部開音節です。
(4) the [ðə]
(5) wanna [wɑ . nə]
(6) into [ɪn . tu]
英語の例も見てみます。子音に前に置かれる the [ðə] は1音節で、音節末が [ə] で終わっている開音節です。wanna は [wɑ] と [nə] の2音節からなる語で、それぞれ音節末が母音 [ɑ] と [ə] で終わる開音節です。into は [ɪn] と [tu] の2音節に分けられますが、開音節なのは [tu] だけ。[ɪn] のように子音で終わる音節は閉音節と言います。
日本語は圧倒的に開音節が多いですが、英語は圧倒的に閉音節が多い言語です。
参考文献
服部義弘(2012)『朝倉日英対照言語学シリーズ 2 音声学』29,64-72頁.朝倉書店
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