6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

開音節とは?

開音節(open syllable)

 開音節(open syllable)とは、母音で終わる音節、あるいは尾子音をもたない音節のことです。日本語の音節はそのほとんどが開音節構造です。

 (1) しろ    [ɕi . ɾo]
 (2) ひかり   [çi . kɑ . ɾi]
 (3) 君の名は。 [ki . mi . no . nɑ . ɰɑ]

 音節境界を [.] で示しました。例えば「しろ」は「し」と「ろ」の2音節に分けられ、それぞれの音節母音 [i], [o] で終わっています。「ひかり」も [çi], [kɑ], [ɾi] 、「きみのなわ」も [ki], [mi], [no], [nɑ], [ɰɑ] と全部母音で終わってます。これらは全部開音節です。

 (4) the   [ðə]
 (5) wanna  [wɑ . nə]
 (6) into   [ɪn . tu]

 英語の例も見てみます。子音に前に置かれる the [ðə] は1音節で、音節末が [ə] で終わっている開音節です。wanna は [wɑ] と [nə] の2音節からなる語で、それぞれ音節末が母音 [ɑ] と [ə] で終わる開音節です。into は [ɪn] と [tu] の2音節に分けられますが、開音節なのは [tu] だけ。[ɪn] のように子音で終わる音節閉音節と言います。

 日本語は圧倒的に開音節が多いですが、英語は圧倒的に閉音節が多い言語です。

参考文献

 服部義弘(2012)『朝倉日英対照言語学シリーズ 2 音声学』29,64-72頁.朝倉書店




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