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自動詞(intransitive verb)
自動詞(intransitive verb)は他動性が低い動詞で、目的語をとらず、自然発生した現象や状態の変化を表す動詞です。「降る」「閉まる」「現れる」など、基本的にガ格を取って主語のみを必要とする動詞を指します。
(1) 雨が降る。
(2) ドアが閉まる。
(3) 魚が川を泳ぐ。 (移動動詞)
「降る」という動きには何が降ったか(主体)の情報が必要でそれ以外の情報は必須ではありません。日本語には主体は「が」で表すという文法がありますので、私たちは「雨が降る」という言い方をします。「降る」という動作が何かに働きかけているわけではありませんから、働きかける対象をとる必要もありません。このように自動詞は「~が」だけがあれば意味内容が充足します。
移動動詞は自動詞
行く、歩く、戻る、出る、飛ぶのような主体の移動を表す移動動詞は自動詞に分類されます。移動動詞の中には「~を+移動動詞」の形をとるものもあり、文型から見ると他動詞に見えます。しかしこのときのヲ格名詞は単なる移動の起点、経路であり、働きかけられる対象ではありません。他動詞の対象とは異なるものです。
(4) 家を出る。 (「家」は移動の起点)
(5) 学校を卒業する。 (「学校」は移動の起点)
(6) 歩道を歩く。 (「歩道」は移動の経路)
参考文献
寺村秀夫(1982)『日本語のシンタクスと意味Ⅰ』くろしお出版
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