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平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題14解説

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平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題14解説

問1 方言札

選択肢1

 日本では明治以来一貫して国内の支配民族が少数民族の言語や文化、生活様式などを自国民に同化させようとする同化政策が行われ、植民地時代の朝鮮人に日本語や改名を強制、またアイヌ文化やアイヌ語の使用を制限していました。アイヌ語は日本語の地域方言という扱いではないのでこの選択肢は間違い。

選択肢2

 国語講習所とは、戦後に在日朝鮮人が朝鮮語で民族教育を行うことを目的とした施設のことです。韓国語は日本語の地域方言という扱いではないのでこの選択肢は間違い。

選択肢3

 語尾に「ね」「さ」「よ」をつける話し方をしないように求める運動のことです。終助詞の「ね」「さ」「よ」は地域方言ではないのでこの選択肢は間違い。

選択肢4

 方言矯正教育として、方言を話した人に対する罰として首に下げさせた方言札のことです。標準語の使用を強制させるために行われ、特に沖縄で厳しく行われていました。沖縄で話されていることばは日本語の地域方言にあたるのでこの選択肢が答えです。

 答えは4

問2 方言

選択肢1

 関西弁などはテレビでもよく使われていますし、方言をキャラクターにする有名人もいますね。

選択肢2

 正しいです。公的な場面でない限り、相手の母方言に合わせて地域方言を用いる傾向があります。

選択肢3

 東京周辺は標準語が用いられるので、当該地域では他の方言を否定的に捉える傾向が強いのではないかと思います。この選択肢は間違い。

選択肢4

 地域方言がその地域のイメージをかもしだすことばとして使われるようになっています。そうした現象は方言コスプレと呼ばれています。

 答えは3です。

問3 方言コスプレ

 方言コスプレとは、自分が演じたい人物像や雰囲気に合わせて方言を用いることです。用いる方言は話し手の出身の方言とは限りません。

 選択肢4の内容がそう。
 答えは4です。

問4 新方言

 新方言とは、若者が方言から取り入れた標準的ではない言い方のことです。「~じゃんか」「~分からんくなった」など。

 「若年層が多く使用する」のがポイントです。
 したがって答えは4です。

問5 様々な取り組み

選択肢1

 これは『東北方言オノマトペ用例集』のことです。被災地などでお医者さんが診察の際に方言を理解していることが求められるので、そういった方言のオノマトペをまとめて提供しています。

選択肢2

 いまのところ行われていません。

選択肢3

 『危機的な状況にある言語・方言サミット | 文化庁』を見てください。確かに開催されています。

選択肢4

 青森だけでも八戸市の「おんでやんせ八戸」、下北の「来さまい下北」などあります。観光誘致に方言が用いている地域は多いです。

 答えは2です。




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