6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

平成28年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題5解説

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平成28年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題5解説

1番

問1

「昨日成田空港に友達に向かえに行ったとき⤵ … 行ったとき⤵」
「うん」
「空港に行く途中ですごく渋滞してて⤵」
「ふーん」

 このように、相槌を促すためにわざと下降調のイントネーションを用いています。男性はしばしば相槌を打たないこともあり、最後女性は自分の話を聞いているのかどうかに対して怒りました。

 問1の答えはaです。

問2

 女性は下降調イントネーション(パラ言語)を用いて男性に相槌を促しています。このイントネーションに関するパラ言語の知識が無ければこの問題を解くことはできません。

 問2の答えはcです。

2番

問1

 男性は「レストランはありませんか?」と聞き、女性は「カフェもありますけど、ここから5分くらいのところに安くておいしいお店がありますよ。」と答えました。ここで「カフェ」という単語が用いられていますが、この問題は「男の人がこれから行くところはどこですか?」ですので、カフェよりも安くておいしい店を紹介していることの方が重要です。

この道を真っ直ぐ行って、二つ目の信号を右に曲がります。
それから真っ直ぐ行くと、郵便局があります。
その向かいがレストランです。

 女性がその”安くておいしいお店”まで案内する際に、「信号」「右」「向かい」という単語を用いています。この3つの単語が分からなければ、地図を追うことはできなくなります。
 したがって問1の答えはdです。

問2

 a 地図を見ると、女性と男性は上方向へと歩いて行くとすぐ分かりますので、左右の位置関係は把握しやすいです。
 b この聴解問題に東西南北は用いられていません。
 c 地図記号の知識がなければ、郵便局がどれなのか分からなくなります。
 d 英語母語話者に有利な表現はありません。

 問2の答えはcです。

3番

問1

 この聴解問題の問いは「多くの人は何に共感していますか?」です。この問いに対する回答は聴解問題の最後に現れます。

車を運転する人は、自分の車に猫が隠れているかもしれないので、車を動かす前には、必ず車をチェックするように呼び掛けています。この呼び掛けに多くの人が共感しているそうです。

 最後まで話を聞かなければ答えることはできません。
 問1の答えはaです。

問2

 この聴解素材の内容を理解したかどうかを確認するためには、聴解問題を音読させても意味がありません。要約させたり、再構成させたり、質問に答えさせることが有効です。
 問2の答えはaです。




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