平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(14)解説
(14)「た」の用法
時制(テンス)の話で言えば、「た」は過去を表すのが一般的です。
(1) 昔ここに羊がいた。 (過去)
(2) さっきご飯を食べた。(過去)
(3) あっ、ここにあった。(現在)
例えば(1)は述語「いる」という状態が過去にあったことを表します。(2)は述語「食べる」という動作が過去に行われたことを表します。「た」は基本的にどんな述語についても過去を表すわけです。
しかし、「た」がついても過去を表さないものあります。例えば(3)。探し物を見つけたときにこのように言いますが、実際探し物は目の前に今現在あります。なのに「た」を使っています。この「た」は過去を表さない特別な「た」ということで、ムードのタと名付けられています。特にこの用法は発見のタなどと呼ばれています。
選択肢1
猫を発見したときのことば。猫は今現在目の前にいるのに「た」を使ってます。
これは発見のタ。
選択肢2
無くしたピアスを発見してます。ピアスは現在目の前にあるのに「た」を使ってる。
これも発見のタ、
選択肢3
シャツのボタンがとれてることを発見。とれてるのは目の前の現在の出来事なのに「た」を使ってます。
これも発見のタ。
選択肢4
値段がついていることを発見しました。値段がついているのが現在のできごと。
これも発見のタ。
選択肢5
「疲れる」という事態が過去に起きたことを表しています。分かりやすく「昨日の会議は」なんて言ってくれてます。
これは過去を表す典型的なタ。
したがって答えは5です。
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