平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題7解説

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平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題7解説

問1 ヨーロッパ言語共通参照枠

 ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の基盤となっている考え方は複言語主義・複文化主義。これについてとても分かりやすいなと思ったサイトがあるので、ここに載せておきます。(→『ヨーロッパの外国語教育、複言語主義とは? – Chiik!(チーク) -乳幼児〜小学生までの知育・教育メディア-』)
 
 答えは4です。

問2 JF日本語教育スタンダード

 『JFスタンダードとは|JF日本語教育スタンダード』のページ真ん中くらいに桜の木があるんですが、そこにはこのように書かれています。

 「JFスタンダードの木」で木の根となるのが  言語能力  、木の枝として表現されるのが  言語活動 

 答えは3です。

問3 六つのレベル

 『JFスタンダードとは|JF日本語教育スタンダード』のページ下に『Can-doの6レベル』があり、そこにはレベル分けが書かれています。

 まとめるとこんな感じ。

熟達した
言語使用者
C2 話題について知識のない聴衆に対しても、自信を持ってはっきりと複雑な内容を口頭発表できる。
C1 複雑な話題について、明確なきちんとした構造を持ったプレゼンテーションができる。
自立した
言語使用者
B2 事前に用意されたプレゼンテーションをはっきりと行うことができる。
B1 自分の専門でよく知っている話題について、事前に用意された簡単なプレゼンテーションができる。
基礎段階の
言語使用者
A2 身近な話題について、リハーサルをして、短い基本的なプレゼンテーションができる。
A1 非常に短い、準備して練習した言葉を読み上げることができる。例えば、話し手の紹介や乾杯の発話など。

選択肢1

 「基礎段階の言語使用者」「自立した言語使用者」「熟達した言語使用者」の3つの段階があり、それぞれが2つのレベルに分かれています。この選択肢は間違い。

選択肢2

 これが答え。

選択肢3

 初級、中級、上級という言い方ではなく、「基礎段階の言語使用者」「自立した言語使用者」「熟達した言語使用者」と名付けられています。この選択肢は間違い。

選択肢4

 選択肢3と同じく間違い。

 答えは2です。

問4 活動Can-do

 『Can-doとは|みんなのCan-doサイト』には「4種類のCan-do」と題して、Can-doを活動Can-do、テクストCan-do、方略Can-do、能力Can-doに分けています。

活動Can-do 実社会で行う具体的なコミュニケーション言語活動を例示しています。【受容】【産出】【やりとり】の3つに分類されます。
【受容】読む・聞くなどの受容的活動
【産出】一人で長く話す、書くなどの産出活動
【やりとり】会話やメールのやりとりなどの相互行為活動
テクストCan-do 【受容】【産出】【やりとり】の間をつなぐ言語活動で、ノート取りや要約など、まとめたり言い換えたりする活動を例示しています。
方略Can-do 言語能力を効果的に使って言語活動を行うための方略を例示しています。
能力Can-do 言語活動を行うために必要な言語能力を例示しています。
・言語構造的能力(linguistic competences):語彙、文法、発音、文字、表記などに関する能力
・社会言語能力(sociolinguistic competences):相手との関係や場面に応じて適切に言語を使う能力
・語用能力(pragmatic competences):談話を組み立てたり、言語使用の役割や目的を理解して適切に言語を使う能力。

 1 活動Can-do
 2 テクストCan-do
 3 能力Can-do
 4 能力Can-do

 答えは1です。

問5 ポートフォリオ

 『JFスタンダードとは|JF日本語教育スタンダード』の「ポートフォリオ」の項目にはこのように書かれています。

 JFスタンダードでは、CEFRと同じように、生涯学習を重視しています。継続的な学習を支える方法として、ポートフォリオの利用を提案しています。

 これは選択肢4にあたる内容。
 また、「ポートフォリオの効果」としてこのように書かれています。

学習者はポートフォリオの活用を通して、日本語の熟達度の自己評価や、それまでの学習過程や成果の共有ができます。自律的学習能力や学習動機も高めることができます。

 これは選択肢2、3の内容。

 ポートフォリオの利点として書かれていないのは選択肢1。答えは1です。




コメント

コメント一覧 (1件)

  • 失礼します。
    質問なのですが、問4の選択肢4は方略ではないのでしょうか?

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