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平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

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平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

問1 オンライン教材・素材

 1 ネット環境さえあれば世界中どこからでも利用できます。
 2 動画や音声を利用することで現実に近い学習ができます。
 3 紙媒体とオンライン教材を組み合わせて利用することで授業の幅は広がります。
 4 教材の選定には学習者のニーズレディネスを把握している必要があるから、ある程度のスキルはないと。

 答えは4です。

問2 時間の経過の影響を受けやすい要素

 この中で最も時間の経過で影響を受けやすいのは語彙です。新語・流行語などが代表的で、去年なかった言葉が日々使われ出しています。こういった語彙は教科書には反映されにくいものの、内容や情報の新しさを考慮するときには注意しなければならない要素です。

 答えは3です。

問3 初級で扱う構造シラバスの利点

 構造シラバスはいわゆる文型に焦点を当てて作られたシラバスのことです。日本語教育では「~てください」「~に~があります」「~ことができる」のようなひとまとまりの表現を文型と呼んでいますが、構造シラバスではこのような文型を学習項目においています。「みんなの日本語」は構造シラバスの代表的な教科書です。初級はなぜこういう文型の導入が多いのか、その利点を考えましょう。

選択肢1

 初級では定型的な表現が多く、応用することはあまり求められません。学習者も創造的な発話ができないレベルであることが多いので、初級の文型を学ぶだけでは現実場面の課題解決に対応しにくいです。
 早い段階から現実場面の課題解決に対応できるシラバスは場面シラバス課題シラバス

選択肢2

 正しいです。構造シラバスを用いた授業では、基本的には一つの授業で一つの文型を扱います。今日は「AはBです」をやりましょうとか、今日は「~てください」をやりましょうとか。だから学習者はその課で学ぶ文型を明確に認識できるメリットがあります。また、「AはBです」のAやBの位置にいろんな言葉を入れることで、文型を利用した様々な表現も作れます。この選択肢が答え。

選択肢3

 「~てください」や「~てもいいですか」を教えるためには、動詞のテ形をまず教えないといけません。この例は極端な例ですが、構造シラバスでは文型を易しい順から並べるので、その提示順や構成はなかなか変えられません。この選択肢は間違い。

選択肢4

 「一人で買い物に行けるようになりたい」というニーズに対応できるシラバスは場面シラバスだし、「エントリーシートを書けるようになりたい」というニーズには技能シラバスが向いてます。構造シラバスはそうしたニーズには対応できないので、この選択肢は間違い。

 答えは2です。

問4 レアリア

 レアリア(生教材)とは、実物教材のこと。例えば果物を学ぶ場面において、本物の果物を持っていくことで学習者の興味を引いたりすることができます。

 1 「りんご」を学ぶために、日本産のりんごを持って行く必要はありません。
 2 次々とレアリアを見せて「これは~です」と言わせるような文型練習ができます。
 3 レアリアはどんなレベルでも関係なく使えるから正しいです。
 4 実物を通してそれにまつわる話を弾ませたりできます。

 答えは1です。

問5 著作権の侵害

 『著作物が自由に使える場合 | 文化庁』が参考になります。

選択肢1

 自分で見るために録画するなら別に良いんですけど、それを授業でまるまる使うのはダメ。必要最小限の部分を利用するなら大丈夫です。

選択肢2

 市販の問題集は買った人が使用することを想定しているものなので、こういうものを複製して配るのはダメ。

選択肢3

 一つ目の参考ページには「授業のたびに、同一の新聞・雑誌などのコラム、連載記事を継続的に複製すること」が著作権者等の利益を不当に害すると書かれてますのでダメ。

選択肢4

 一部なら良いみたい。

 答えは4です。




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