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平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説

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平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説

問1 非言語情報

 1 姿勢は身体動作
 2 沈黙はパラ言語(沈黙することで相手に何か伝える機能を持つことがある)
 3 笑いもパラ言語
 4 言いよどみはパラ言語(フィラー

 選択肢1だけは音がないので非言語情報と言えます。それ以外の選択肢は音を含む(音に関係する)情報だから言語情報。
 答えは1です。

問2 ノンバーバル・コミュニケーション

 問われているのは「パラ言語情報を含むノンバーバル・コミュニケーション」ですので、各選択肢にパラ言語情報が含まれているかどうか見ていきます。
 
 1 「香水」は人工物の使用という非音声的コミュニケーションに分類されます。
 2 にらみつけるは「アイコンタクト」なので身体動作
 3 咳払いは何らかの意味を持つことがあるのでパラ言語情報を含みます
 4 「触れる」のは触覚学の範疇

 答えは3です。

問3 ジェスチャー

 
 問題文では「物事を描写したり意味を強調したりするジェスチャー」とあります。これはイラストレーター例示的動作)のことです。選択肢の中からイラストレーターではないものを探します。

 1 イラストレーター 大きさを手で表現してる
 2 イラストレーター 長さを手で表現してる
 3 イラストレーター その量を指で表現してる
 4 両手首を交差する動作はその動作だけで「ダメ」という意味を表せます。動作が言葉の代わりになるエンブレム

 答えは4です。

問4 文化を超えて機能する日本人のジェスチャー

選択肢1

 手刀を切るのは日本人独自の作法で、外国では通じないようです。「Excuse me」とはっきり言って通ることを伝えたり、微笑んで横切ったりするらしい。確かに中国では「过一下(ちょっと通ります)」と言って道を開けさせます。そのとき手刀は切りません。

選択肢2

 他3つが国によって異なる意味を持つジェスチャーですので、消去法でこれが答えになります。静かにさせたいとき指を立てるのは世界共通なようです。

選択肢3

 手のひらを上にして手招きするのは、国によっては「あっちに行け」という意味になるそうです。また、ペットを呼ぶときに使うため、人に対して使うと侮辱にあたる場合もあるよう。ちなみに中国は日本と同じで手のひらを下にして手招きします。

選択肢4

 タイでは挨拶しながら合掌するそうです。拝むような仕草は必ずしもお願いとは限りません。

 答えは2です。

問5 フィラー

 フィラーとは、「あのう」「そのう」「えっと」などの言い淀み、言葉を探しているときに発せられる言葉のことです。

 A フィラー
 B 「いや」は否定しているわけじゃなくて、「いやー」みたいに悩んでるのでフィラー
 C 相槌
 D フィラー

 答えは3です。




コメント

コメント一覧 (6件)

  • 初めまして。いつも丁寧な解説にとても助けていただいています。ありがとうございます!

    一問目の、『非言語情報に含まれるものはどれか?』の問題について質問させていただきます。
    非言語情報=パラ言語でしたら、該当は2.3.4全てということのように感じてしまいました。ここで問われているのは、非言語情報=身体動作という事でしょうか?
    勉強不足ですみませんが、ご教授下さい。よろしくお願いします。

    • >ミントさん
      ご指摘ありがとうございます!
      解説読み返してみたらおかしいことになってますね…

      音声による情報は、字面や音声そのものが表す言語情報と、文字では表現できない(しにくい)パラ言語情報に分けられます。
      非言語情報は、パラ言語情報以外の身体動作や距離の取り方を指すんだと思います。

      申し訳ありませんでした! 解説は修正しておきます。

      • お忙しい中、早速のご返信・ご解説ありがとうございます!

        本当に親切な解説で感謝です。これからもお世話になります。
        ありがとうございました!

  • こんにちは、いつも参考にさせていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
    さて、2019(R1)Ⅰ問題8問2 パラ言語は、ノンバーバルコミュニケーション(非言語伝達手段)となっております。こちらの問1では、非言語情報にパラ言語は含まないとの解答でした。非言語伝達手段と非言語情報は異なるものという認識でよろしいでしょうか?

    • >としさん
      コメントありがとうございます。
      コミュニケーションは言語を介するバーバルコミュニケーション(言語コミュニケーション)と、言語を介さないノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)に分けられます。
      バーバルコミュニケーションはいわゆる言語情報を使ったコミュニケーションで、ノンバーバルコミュニケーションには外見、動作、視線、近接距離、触覚などの非言語情報とパラ言語情報が含まれます。

      非言語情報とパラ言語情報はノンバーバルコミュニケーションに含まれます。

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