平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題15解説
問1 日本語指導が必要な外国人児童生徒
『「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成28年度)」の結果について』(魚拓)にはこう書かれています。
「日本語指導が必要な児童生徒」とは、「日本語で日常会話が十分にできない児童生徒」及び「日常会話ができても、学年相当の学習言語が不足し、学習活動への参加に支障が生じており、日本語指導が必要な児童生徒」を指す。
選択肢3の内容と合致します。
答えは3です。
問2 補習校
選択肢1
補習授業校は、現地校、インターナショナル・スクールなどに通学している日本人の児童生徒に対して、授業のない土曜日、日曜日や放課後等の授業のない時間に、国内の教科書を用いつつ小・中学校の国語、算数など一部の教科について授業を行い、「在外教育施設に対する支援に係る指定等に関する規程」(令和4年外務省告示第303号)の第1条に規定する各号の基準に適合し、外務大臣の指定を受けた在外教育施設です。
『海外教育|外務省』にはこう書かれています。補習校ではなく、正式には補習授業校というようですね。この選択肢は下線部Bと違うので間違い。
選択肢2
日本語指導が必要な外国人児童生徒を、その地域にある学校に通学させて日本語指導を行う方法で日本語教育が行われる場合、その学校を拠点校やセンター校と呼ぶようです。この選択肢が答え。
選択肢3
目標言語で一般科目を教える学校のことです。
選択肢4
魅力的な特別カリキュラムを持つために、広範囲の子供たちをマグネットのように引きつける学校のこと。
答えは2です。
問3 外国人児童生徒の母語
『「日本語指導が必要な外国人児童生徒の受入れ状況等に関する調査(平成22年度)」の結果について【概要】』(魚拓)にはこのような表があります。
上から順番に多い順で並んでいるのでそのままこれが答えになります。
順位 | 母語 | 人数 |
---|---|---|
1位 | ポルトガル語 | 9,477人 |
2位 | 中国語 | 6,154人 |
3位 | フィリピノ語 | 4,350人 |
4位 | スペイン語 | 3,547人 |
5位 | ベトナム語 | 1,151人 |
答えは3です。
問4 母語の定義
スクトナブ=カンガスは、4つの基準で母語を定義しました。
簡単にまとめると、次のようになります。
①最初に学んだ言語
②自分が属する言語、もしくは他者から母語話者として認められている言語
③最もよく知っている言語
④最もよく使用する言語
1 FUNCTION(④)に該当
2
3 COMPETENCE(③)に該当
4 IDENTIFICATION の b.external(②)に該当
答えは2です。
《参考文献》
Kontra, Miklós, Lewis, Paul, Skutnabb-Kangas, Tove (2016). Afterword: disendangering languages. In Johanna Laakso, Anneli Sarhimaa, Sia Spiliopoulou Åkermark and Reetta Toivanen (eds). Multilingualism beyond rhetorics: towards openly multilingual policies and practices in Europe. Bristol: Multilingual Matters, 217-233.
問5 母語継承教育
カナダの母語継承教育は、グローバル人材の育成に役立てるために行われました。
答えは1です。
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