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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題16解説

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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題16解説

問1 ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)

 この問題は、『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(CEFR)』(魚拓)を見れば解けます。ただしめっちゃ長い。

選択肢1

 CEFRの目的はヨーロッパの言語教育のシラバス、カリキュラムのガイドライン、試験、教科書、等々の向上のために一般的基盤を与えることである。

 上記PDFの1ページにはこう書かれています。選択肢1は適当です。

選択肢2

 学齢前教育から成人教育に至るまで、教育制度全般にわたって言語教育を推進し…

 「生涯教育」という語は196ページに出てきますし、また5ページには上述の通り子どもから成人までを対象としたものである旨書かれています。この選択肢は適当。

選択肢3

 熟達度に関する情報を一連の共通の基準指標として与えることによって、異なったシステムや状況においても学習目標、レベル、教材、テスト、達成度の比較を容易にする。

 16~17ページの「言語熟達度の共通参照レベル」のところにこの記述があります。よってこの選択肢は適当です。

選択肢4

 これは間違い。CEFRは特定の言語を普及させるために開発された枠組みではありません。

 答えは4です。

問2 複言語・複文化主義と多言語・多文化主義

 複言語主義と多言語主義という用語が出てきています。これについても『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(CEFR)』(魚拓)の4~5ページで触れられています。あまりに長く引用するのが難しいので、実際に見てみてください。

 簡単に言ってこの2つの違いは、多言語主義は社会の中で学習可能な言語を多様化すること、複言語主義は個人の中にある様々な言語を柔軟に取り出して使うことです。これはちょうど選択肢1にあたります。

 答えは1です。

問3 JF日本語教育スタンダードの「言語活動」

 『JFスタンダードとは|日本語教育スタンダード』の「JFスタンダードの木」のところには桜の木があり、「コミュニケーション言語活動」のカテゴリーに「受容」「産出」「やりとり」の3つが書かれています。「読み書き」なんてない。

 答えは1です。

問4 JF日本語教育スタンダード

 『JFスタンダードとは|日本語教育スタンダード』の一番上にはこんな記述があります。

JF日本語教育スタンダード(JFスタンダード)はコースデザイン、授業設計、評価を考えるための枠組みです。
課題遂行能力(言語を使って課題を達成する能力)と、異文化理解能力(お互いの文化を理解し尊重する能力)を育成する実践をサポートし、日本語を通じた相互理解を目指します。

 課題遂行能力と異文化理解能力。答えは2です。

問5 熟達度のレベル

 『JFスタンダードとは|日本語教育スタンダード』の「Can-do」のところに「Can-doの6レベル」(魚拓)というPDFがあります。これに書かれている内容をまとめたのが次の表です。

熟達した
言語使用者
C2 話題について知識のない聴衆に対しても、自信を持ってはっきりと複雑な内容を口頭発表できる。
C1 複雑な話題について、明確なきちんとした構造を持ったプレゼンテーションができる。
自立した
言語使用者
B2 事前に用意されたプレゼンテーションをはっきりと行うことができる。
B1 自分の専門でよく知っている話題について、事前に用意された簡単なプレゼンテーションができる。
基礎段階の
言語使用者
A2 身近な話題について、リハーサルをして、短い基本的なプレゼンテーションができる。
A1 非常に短い、準備して練習した言葉を読み上げることができる。例えば、話し手の紹介や乾杯の発話など。

 1 J5からJ1+までのレベルがあるのはBJTビジネス日本語能力テスト
 2 初級、中級、上級、超級のレベルがあるのはOPI(Oral Proficiency Interview)
 3 これが答え
 4 A1からC2のレベルはCEFRのレベルですが、それよりも1つ多い試験ってのが不明

 ということで答えは3です。




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