6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

エラーとは?

エラー(error)

 エラー(error)とは、誤用の分類の一つで、その時点の学習者が作り上げた独自の言語体系の規則に基づき、どんな場面でも一貫して繰り返し生じる誤用のことです。エラーは学習過程で必ず起きるものであり、誤用分析(error analysis)ではこれらを分析することで学習者の学習過程を明らかにしようとします。

 ピット・コーダー(Pit.Corder 1967)は誤用をエラー(error)とミステイク(mistake)に分類しましたが、第二言語習得研究や誤用分析の対象となるのはエラーであり、ミステイクは含まれません。しかし、学習者の発話や成果物(作文など)に見られる1つの誤用から、それがエラーかミステイクかを判断するのは難しいです。どちらかを判断するためには、その学習者の他の発話や成果物を観察し、同様の誤用をしているかどうかを確かめたり、学習者本人に当該誤用の修正ができるかどうかを確認する必要があります。同様の誤用が見られ、当該誤用の修正ができない場合はエラーと判断できます。

参考文献

 大関浩美(2010)『日本語を教えるための第二言語習得論入門』4頁.くろしお出版
 迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』11,25頁.アルク




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