ミステイク(mistake)
ミステイク(mistake)とは、誤用の分類の一つで、ちょっとした言い間違いの一過性の誤用のことです。言語知識の不足によって生じているわけではなく、その時だけうっかり忘れてしまったり、緊張していたり、あるいは体調が悪かったりなどしてつい言い間違うなどして生じます。ミステイクは学習者だけでなく母語話者でもおかす誤用で、その時限りのものです。
ピット・コーダー(Pit.Corder 1967)は誤用をエラー(error)とミステイク(mistake)に分類しましたが、第二言語習得研究や誤用分析の対象となるのはエラーであり、ミステイクは含まれません。しかし、学習者の発話や成果物(作文など)に見られる1つの誤用から、それがエラーかミステイクかを判断するのは難しいです。どちらかを判断するためには、その学習者の他の発話や成果物を観察し、同様の誤用をしているかどうかを確かめたり、学習者本人に当該誤用の修正ができるかどうかを確認する必要があります。同様の誤用が見られず、当該誤用の修正ができる場合はミステイクと判断できます。
参考文献
迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』11-14,25頁.アルク
小柳かおる(2004)『日本語教師のための新しい言語習得概論』54頁.スリーエーネットワーク
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