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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

問1 絵カード

 絵カードとは、その名の通り絵が描かれているカードです。それを学習者に見せることでキューとし、文型練習を行ったりします。

選択肢1

 空腹の様子を描いた絵カードを見せて「ご飯を食べたいです」と言わせたり、絵カードにはキューとしても使うことができます。この選択肢は適当。

選択肢2

 絵カードはこの場面で適切な表現は何かみたいな口頭テストのための視覚刺激として使えるのでこの選択肢は適当。

選択肢3

 抽象的な概念を表す語の意味は絵で表しにくいです。絵カードに向いてません。この選択肢は不適当。

選択肢4

 これも選択肢1と同じく、受身形を使う場面を絵で表現し、受身文を作らせるようなキューとして使うこともできます。

 答えは3です。

問2 内容の聞き取りを目的とした初級聴解教材

選択肢1

 聴解問題は未習のものも少し含めるっていうのが一般的。なぜかというと全部知っている言葉ばかりだと推測して聞く練習にならないからです。一部分からない言葉があるけど他の分かる言葉から推測してみたいな能力を養うためにも、未習のものはある程度あったほうがいい。この選択肢は間違い。

選択肢2

 遅すぎると自然ではない会話になってしまうので、ネイティブの速度とまではいきませんが、ある程度不自然じゃないくらいのスピードが適当。そのうえで聞いてる人は考える時間が必要なので、不自然じゃないところでポーズ入れたりするのもいいですね。

選択肢3

 聴解問題、冒頭は普通「女の子と男の子が話しています。今からどこに行きますか?」みたいな説明があってから問題に入ります。こうやってあらかじめ状況説明しておくと状況が理解できて内容が聞き取りやすくなります。

選択肢4

 これは正しいです。学習項目を含んでいることも重要ですが、それが現実の場面で使えるのかどうかも考慮すべきです。また、学習者のニーズによっては導入が急がれる緊急性の高い項目もあるかと思います。そういうのも入れるかどうか考えたほうがいいですね。

 答えは1です。

問3 ロールプレイで重要な要素

 ロールプレイを行うときは、既に問題文で示されているようにインフォメーション・ギャップが重要です。役割を演じる参加者がそれぞれ何を達成したいのかという情報をお互い共有していないと、情報のやり取りをするために自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。このほか、ロールプレイは各参加者が役割を演じる際にどのように行動するかを自分で決められる自由度も重要です。これは  選択権  (チョイス)と呼ばれます。もう一つ、ロールプレイにおけるコミュニケーションには相手の  反応  (フィードバックが欠かせません。

 答えは4です。

問4 サイレントウェイ

 サイレント・ウェイで用いられる教具は皆さんが一般に想像する言語教育の授業では使わないようなものばかりで、サウンド・カラー・チャート、フィデル、ロッドがあります。選択肢3がサウンド・カラー・チャートの説明。

 1 レアリアはどんな授業でも使えます。
 2 ロールカードかなにかかなと思います。だとすればこの記述はロールプレイ
 3 サウンド・カラー・チャート
 4 文字カードだから普通の授業でも使えます

 答えは3です。

問5 先行シラバスと後行シラバス

 シラバスはその完成時期によって大きく先行シラバスと後行シラバスに分けられます。
 先行シラバスは教育が行われる前にすでに完成しているシラバス、後行シラバスは教育が行われる前にシラバスデザインを行わず、教育実施中に学習者から得られた要求にもとづいてその都度シラバスを作り、教育終了後に結果的に完成するタイプのシラバスを指します。
 各選択肢には次の4つの内容が書かれているので、それぞれなんのシラバスの特徴かを考えましょう。

向かうべき到達点が確認できる

 先行シラバスの記述です。先行シラバスは教育が行われる前に全てシラバスが決まっているので、教師も学習者もそれを見ることで何を学んで、最終的にどこまで到達するのかが分かります。後行シラバスではそれが分かりません。

学習過程における現在位置が分かる

 先行シラバスの記述です。教育を開始する前にすでに完成されているシラバスを見れば、今どこまで学んだかが分かります。後行シラバスではそれができません。

ニーズに応じて変更ができる

 学習者のニーズに応じてシラバスを作っていき、変更できるのは後行シラバスの特徴です。先行シラバスを採用する場合はすでに決まっているシラバスにしたがって教育を行うので、教育実施中に変更することはしません。仮に先行シラバスを途中で変更するような手段を取れば、それはプロセスシラバスと呼ばれます。

学習活動の記録としての意味を持つ。

 先行シラバスを見ても後行シラバスを見ても、それまで何を学習してきたかを知ることはできます。だからどちらも学習活動の記録にはなります。この選択肢はどちらのシラバスの特徴であり。

 答えは2です。




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