昨日は日本語教師の養成プログラムの授業があって、前半90分でプロトタイプ効果を、後半90分で協調の原理を授業してきました。10月中は毎週授業があって、しかも対面なのでめっちゃ楽しいです。いつもはオンライン授業なんですが、対面は特に直接反応を見られるのでやりやすくて好き。
協調の原理の面白さは、ルールを破ると裏の意味が出るというところもそうだけど、必ずしも言語だけに限らないところ。たとえばクラクションは通常「危険な場面で使う」というルールがありますけど、危険でもない場面で使うことで「譲ります」とか「ありがとう」とかの裏の意味を出せたりします。一時的にハイビームにするパッシングは光なので、本来は「照らすときに使う」というルールがありますが、照らす必要のない場面で使えばこれもまた「ありがとう」「譲ります」「追い越しますよ」の意味になることもあります。言語以外の場面にも話を広げることで、協調の原理の面白さが伝えられた気がします。
そういえば質の公理を逆用する例は撞着語法とかもあったのを授業中に思い出しました。即興だったので「Mr.children」と「マイナス成長」くらいしか思い出せなかったのでちょっと残念。今度から協調の原理を授業するときは撞着語のこともちゃんとメモしておくようにしないと。
途中、日本は高コンテクスト文化だからこういう裏の意味を出すのが得意なんですかと質問があったんですけど、グライスは強調の原理をどんな言語にも適用できる理論として論じているから、グライスによれば日本語に限ったことではないし、むしろグライスは英語の例を挙げているから英語でも同じようなことができるはず。とすると高コンテクストというのはまた何か別のお話なのかもしれないですね。このあたり勉強不足だったのでうまく答えられませんでした。今後の勉強に繋げます…
来週の土曜はポライトネス理論と発話行為理論を扱う予定です。これもまた難しいので… でもどうにか興味を持ってもらえるポイントを探して授業したいと思います。

コメント
コメント一覧 (2件)
協調の原理については、先生の授業を受けている時から興味深かく、裏の意味が含意されるという解説が次ページの頭に表れたときは衝撃を受けたほどでした。協調の原理の解釈は様々ですが、私は先生の説明が一番しっくりきています。
この授業で、必ずしも言語だけに限らない、これは全く知らなかったこと!協調の原理の面白さ倍増です。これも受けたかったです。
>深澤さん
そうですね、言語だけに限らなさそうです。普通の表情をしてないときはやっぱりそれも会話のルール違反だと思うので裏の意味が出ると思いますし、わざとゆっくり話したり早口で話したりしても裏の意味が出たりしそうです。こういうのは4つの公理のどれでもないんですけど、しいて言えば表情の公理とか、話し方の公理とかそういうのが言えそうです。