日本語Q&A
質問者さん(中国)
管理人
でも一部で音位転換が起こり「ふいんき」と言う人もいます。
本来の読み方

本来の読みは「ふんいき」です。だって一つひとつの漢字を音読みするとそうなるから。
雰 → ふん
囲 → い
気 → き
これについては文化庁の国語に関する世論調査『平成23年度 国語に関する世論調査 〔平成24年2月調査〕』に調査結果があり、「ふいんき」と回答した人は13.9%いたそうです。この調査からもうずいぶん時間が経っていますから、「ふいんき」という人はもっと増えているんじゃないかなと思います。本来は「ふんいき」なので、パソコンやスマホとかで入力するときは「ふんいき」じゃないと変換できなかったりします。
「ふんいき」が音転して「ふんいき」になった!
「ふんいき」が「ふいんき」になったのには音転(音位転換)という音韻現象が関わっています。音転とは連続する2音の位置を互いに交換すること。例えば、私は子供のころに「エレベーター」を「エベレーター」って言ってました。これは音素/r/と/b/の位置が互いに交換している音転が起きていています。これと同じで「ふんいき」と「ふいんき」も/n/と/i/が交替していますから音転です。
エレベーター(erebe-ta-) ⇔ エベレーター(ebere-ta-)
ふんいき(huniki) ⇔ ふいんき(huinki)
「バドミントン」を「バミトントン」といったり、「おたまじゃくし」を「おじゃまたくし」と言うのも音転。探せば結構あります。「中臣鎌足(なかとみのかたまり)」、「シミュレーション⇔シュミレーション」「コミュニケーション⇔コミニュケーション」「とうもろこし⇔とうもころし」「エベレスト⇔エレベスト」などなど… 子どもの言い間違いなどに多いのかな?
「ふいんき」は間違い?
いろんな音転の例を紹介しましたが、音転した音形、語形はどうしても「おかしい」「間違い」って感じてしまうはず。それもそうでこれまで聞いてきた音、使ってきた音と違うからその感覚は当然なんだけど、でも、日本語の歴史を見ると音転した語形がそれまでの語形を追いやって取って代わる例が見られます。

例えば「新」という漢字の読み方。12世紀初頭、平安時代末に成立したとされる漢和辞典『
他にも、サボテンはサンスクリット語「サンボテ」からの音転、秋葉原も「アキバハラ」からの音転、「暴れる」意の「アバルル」は「アラブル」から音転。サザンカは漢字で書くと「山茶花」となるのが証拠で、もともとは「サンサカ」あるいは「サンザカ」でした。
「雰囲気」を「ふいんき」と読むのは、もともとは個人レベルの誤りから始まったものです。でもそれが次第に社会的に認知され、認められ、「アタラシ」のように最終的にはそれまでの語形を追いやって正規の語形としての地位を確立することもあります。「ふいんき」は現代の音転の中でもわりと認知度が高いようですから、これから正規のものに変わっていくかもしれません。もはやただの言い間違いとは呼べない段階に来てます。
参考文献
国語に関する世論調査 | 文化庁
『平成23年度 国語に関する世論調査 〔平成24年2月調査〕』(文化庁文化部国語課)

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