6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

「見通し」と「見込み」の違いは何?

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日本語Q&A

質問者さん
(中国)

見通し」と「見込み」は似ていますね。それぞれの使い分けは何ですか? 会議でたくさん聞きましたが、違いが分かりません。

管理人

見通す」は現在から未来までの経緯の予測。
見込む」は将来の予測が現在に活かされること。
それらの名詞形「見通し」「見込み」も同じです。

「見通す」

 空間に対して使う場合は、ずっと遠いところまではっきり見渡すという意味です。
 時間に対して使う場合は、何らかの根拠があって現在から未来までの経緯を予測するという意味です。そのときその人なりの確信があります。

 (1) 裁判で勝てる見通しだ。
 (2) 道幅が狭めで見通しが悪い。
 (3) 雨で見通し悪いです。
 (4) 4年後に市場規模は1.7倍になる見通しだそう。
 (5) 台風は太平洋側を通っていく見通しです。
 (6) 進捗の見通しが甘過ぎる。

 例えば(1)では、いろんな証拠があって裁判で勝つ可能性が高いという根拠に基づき、現在から未来まで物事がどのように進んでいくか把握しているという意味です。このように「見通す」は根拠に焦点を当てた予測に使いやすいです。

「見込む」

 「見込む」は将来のことを期待した予測を表し、その予測を現在に生かすという意味で使われます。こちらもその人なりの確信があります。「見通す」とは違い、現在から未来までの経緯に焦点は当てられません。

 (7) 裁判で勝てる見込みがある。
 (8) 改善の見込みがない。
 (9) 君を叱るのは、君に見込みがあるからだ。
 (10) 台風は今週末の三連休にかけて本州に接近する見込みです。
 (11) 定年退職した後に収入の見込みが無い。

 例えば(10)は勝てる見込みがあるから現在なになにをする、みたいに未来の予測が現在に活きてきます。「見通す」よりも根拠に焦点は当てられませんが根拠がないわけではありません。こちらは根拠に基づいた予測より、予測が現在に活かされる点に焦点が当てられます。




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