6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

令和5年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(7)解説

令和5年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(7)解説

(7)短い形の使役受身形の有無

 使役受身形には短縮形と呼ばれるものが存在します。例えば「書く」ですが、普通の使役受身形は「書かせられる」です。これと意味の同じものに「書かされる」があり、こちらは「書かせられる」よりも短いので一般に短縮形と呼ばれます。ちなみに使役受身短縮形は五段動詞にしかなく、一段動詞にはありません。だから選択肢の動詞は全て五段動詞ですね。

活用形 語幹 使役形態素 受身形態素 時制形態素
書く kak u
書かせられる kak ase rare ru
書かされる kak as are ru

 形態素に分解したら↑のようになります。つまり使役受身短縮形は五段動詞語幹に「as-are-ru」をつければ作れるということです。やってみましょう!

 1 hanas-as-are-ru(はなさされる)?
 2 waraw-as-are-ru(わらわされる)
 3 nak-as-are-ru(なかされる)
 4 hatarak-as-are-ru(はたらかされる)
 5 mat-as-are-ru(またされる)

 1だけなんか変。「話さされる」という言い方はありませんね。「さ」が重複するから違和感があるのかな? とすると「す」で終わる五段動詞は使役受身短縮形がないんだと思います。
 というわけで答えは1です。




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