6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題6解説

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令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題6解説

1番

 「きがるく聞いてください」言ってます。
 この「く」はイ形容詞で現れるやつ。「美しく」のような「く」。
 でも「気軽(な)」はナ形容詞ですから、ナ形容詞の活用とイ形容詞の活用を混同してるみたいですね。
 答えはaです。

2番

 「父をお送りしました」って言ってます。
 父に謙譲語「お~する」を使う必要はない。
 答えはdです。

3番

 目の前にお皿があって自分の目で見てるのに「素敵そうですね」と、話者が見たり聞いたりしたものから推測される主観的な判断(可能性)の「そうだ」をつけてます。「素敵ですね」と言えばいいのに。この「そうだ」は一般に様態と呼ばれてるやつ。

 だから答えはaです。

4番

 「冷たいそば」が「涼しいそば」になってます。
 形容詞の誤り。答えはbです。

5番

 「多い人」と言いました。「多くの人」って言わないといけません。
 このとき「多く」は名詞になってるから「の」が必要です。
 「多い」に関する名詞修飾の誤りが見られます。
 したがって答えはdです。

6番

 じゃがいもについて「飽きました」というべきところを「飽きることになりました」と言ってました。
 「ことになる」は決定の文法。例えば「進学することになった」みたいな。
 だから答えはdです。

7番

 「ゆうべから痛いので」と理由を述べていますが、何が痛いか言ってません。
 「(私は)(どこどこが)ゆうべから痛いので」と言ったほうがいい。
 主体である「私」は省略可能なのでいいですけど、対象である「どこどこ」は省略しないほうがいい。

 対象が脱落しています。
 答えはb

8番

 「勉強を続けています」が「勉強を続いています」となってます。
 「続ける」と「続く」は自他の混同。
 答えはaです。




コメント

コメント一覧 (4件)

  • いつも有意義に拝見しております。
    私も日曜日の日本語教育能力検定試験を受けて来ました。
    日本語教師とは別の仕事をしながらもう3回目の挑戦ですが、今回も恐らくダメだろうと意思消沈しております。
    先生のサイト、とても役に立ちます。
    聴解の問題6の3番、私のメモでは、「すてきそう」と書いてあります。
    4番は、「すずしいそば」→「つめたいそば」と書いてあります。
    7番は、「いたいので」→「いたくなったので」と書いてあります。
    聴解問題、苦手ですが、来年に向けて頑張りたいと思います。

    • chicaさん
      ありがとうございました! 分からないところ、解説のほうに追記させてください。

      • 音声の問題の速報はここくらいしかないので、参考にしております。

        7番についてですが、痛いので授業を休ませてください、という意味の言葉を発していたと思うのですが、「何が」痛いのかは明言されておらず、「対象の脱落」かなと思い同じく選択肢2を選びました。

        • >Takeさん
          ありがとうございます!!
          「何が」痛いか明言がなかった可能性があるんですね。貴重なご意見なので解説に書かせていただきます。

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