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令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(6)解説

令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(6)解説

(6)非過去形が表す時間的な意味

 テンスに関する問題です。
 動的述語のル形は非過去、タ形は過去。静的述語のル形は現在、タ形は過去。これを覚えていれば解けます。

選択肢1

 「ある」は状態動詞。動詞だけど動きはなくて、ただ存在を表すだけ。これは静的述語です。
 ここでは「ある」とル形を使っていますから、テンスは現在。「時間がある」のは現在のことを言ってます。
 こんな文法的なことは分からなくても、「時間がある」のは現在の状態だからテンスは現在です。

選択肢2

 「要る」も動きはなくて、今自分が何かを必要としている状態を表す状態動詞、静的述語です。
 これもル形で現在。「勇気が要る」のは現在の話だから。

選択肢3

 「できる」は可能を表す動詞。これは動的か静的かですが… 可能を表す動詞は能力を所有しているという一種の性質を表すもので、実は静的述語、状態動詞です。
 これもル形で現在。「スキーができる」のは現在のことですよね。

選択肢4

 「落ちる」は動作動詞で動的述語。動きがあります。
 ル形で非過去。現在の可能性もあるし、未来の可能性もあります。

選択肢5

 「分かる」も状態動詞。「分かる」という状態、可能を表す動詞と同じ。
 これもル形で現在です。

 全部ル形だけど、選択肢4だけ非過去時制でした。
 答えは4です。




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