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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題2(3)解説

令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題2(3)解説

(3)立たせた

 この問題は良い問題でした…
 1分くらい時間を使ったのに分からずじまい。結局飛ばして、最後の見直しで戻ってきて… 時間がかかると焦って余計分からなくなりますね。

 問題文、正しい言い方は「立てた」。他動詞「立てる」を使うべきなのに、自動詞「立つ」の使役形を使ってしまう誤りです。自動詞の使役形は疑似的に他動詞のように働くのでこのような誤りは現実的に存在します。
 「降る」のように対応する他動詞が無い自動詞の場合は使役形を使って「降らせる」というふうに臨時的に他動詞を作って対応するんですが、自動詞「立つ」の場合はそもそも対応する他動詞「立てる」が用意されていますからこれを使うほうが優先されます。わざわざ「立たせる」というには文脈が必要。

選択肢1

 他動詞「消す」を使うべきですが、自動詞「消える」の使役形「消えさせる」を使う誤り。

選択肢2

 他動詞「折る」を使うべきなのに、自動詞「折れる」の使役形「折れさせる」を使う誤り。

選択肢3

 他動詞「届ける」の使役形「届けさせる」を使うべきですが、自動詞「届く」の使役形「届かせる」の差入れ言葉「届かさせる」を使ってる誤りです。
 これは他とは違う、また複雑な間違え方をしてます。

選択肢4

 他動詞「閉める」を使うべきなのに、自動詞「閉まる」の使役形「閉まらせる」を使っている誤り。

 選択肢3だけ誤り方が違います。
 したがって答えは3です!




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