6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

女房詞(女房ことば)とは?

女房詞(女房ことば)

 女房詞(女房ことば)とは、15世紀初め頃の室町時代から使用された位相語の一種で、京都御所に仕える女官(女房)が仲間内で用いた独特なことばのことです。食べ物などを婉曲的に言うことで上品な言葉遣いとされました。

 (1) しゃもじ(杓子)
 (2) すもじ(すし
 (3) ひもじ(ひだるし:苦しいの意)
 (4) こもじ(こい
 (5) ふもじ(ふな
 (6) たもじ(たこ
 (7) おでん(田楽)
 (8) おひや(水)
 (9) おかず(菜)
 (10) おつくり(刺身)
 (11) おなか(腹)
 (12) おつけ(汁)
 (13) おから(御殻)
 (14) おつまみ(漬物)

 例(1)~(6)のような語の1拍目に接尾辞「もじ」をつけた文字詞(文字ことば)や、接頭辞「お」をつけた例(7)~(14)などが特徴的です。

参考文献

 沖森卓也(2010)『はじめて読む日本語の歴史』237-238頁.ベレ出版
 米山明彦(2018)「位相と位相語」『朝倉日本語講座4 語彙・意味140-141頁,朝倉書店




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