マニュアル敬語
マニュアル敬語とは、「職場での言語使用、特に接客の場面での言語使用について具体的な言語表現などを示すもので、新入職員や臨時職員の指導に用いられるもの」(文化庁 2007: 9)のことです。具体的には「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」「1,000円になります」「1,000円からお預かりします」「お箸のほう、お付けしますか」「お値段、サービスさせていただきます」などが挙げられます。これらは従来の日本語文法で説明することが困難なので批判的に捉えられることがありますが、接客の場面ではよく用いられる表現です。
(1) 1,000円になります。
(2) ポイントカード、お持ちではなかったでしたか?
(3) ご注文、以上でお間違えなかったですか?
例えば(1)の「~になる」は典型的には「雨が雪になる」のような変化を表す文型で用いられますが、変化の意味を無くし、あるいは薄くして会計の場面でも用いられるようになっています。
参考文献
文化庁(2007)『敬語の指針』(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf)
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