6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【敬語練習問題】(72)自分のことに付ける「お」と「御」

【敬語練習問題】(72)自分のことに付ける「お」と「御」

学習者から「自分のことに『お』や『御』を付けるのは正しいですか」と質問を受けた。これに対して、自分の動作にも『お』や『御』を付ける場合もあることを例文を提示して説明したい。その例文として不適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
 
 1 大変なご苦労をされていることでしょう。
 2 私の愛用しているお箸が無くなった。
 3 新年のご挨拶申し上げます。
 4 基本的な使用方法をご説明します。











解説

 敬語の「お」や「御」は立てるべき人物に対して使えるのはもちろん、自分のことにも使えます。例えば「お疲れですか?」は相手の「疲れる」という行為(状態)に対して「お」をつけていて尊敬語です。自分に対しては「先生にお手紙を書きました」のように自分のものである「手紙」に「お」を付けることもできます。これは謙譲語Ⅰです。

 1 「苦労」は相手の状態なので「ご苦労」は尊敬語。提示する例文として不適当です。
 2 自分が使っている「箸」を美化して「お箸」と言ってます。
 3 自分の「挨拶する」という行為に謙譲語Ⅰ「お~申し上げる」を使っています。
 4 自分の「説明する」という行為に謙譲語Ⅰ「お~する」を使っています。

 選択肢1だけ尊敬語で相手に「お」を使っているので、この学習者に提示する例文としては不適当。それ以外は自分のことに「お」や「御」を用いていて、提示する例文として適しています。

 答えは1です。




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