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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題10解説

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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題10解説

問1 プライミング効果

 プライミング効果とは、先に提示された事柄(プライム)により、それに関連する別の事柄(ターゲット)が覚えやすくなったり、思い出しやすくなる現象のことです。

 1 ビングハウスの忘却曲線では、間隔を開けた再学習による忘却防止が図られることが分かってます。
 2 これがプライミング効果
 3 名前ありそうだけど分からない
 4 名前ありそうだけど分からない

 答えは2です。

問2 コロケーション

 「辞書を引く」「辞書を調べる」「辞書を使う」「辞書を見る」など、「辞書」と共起する動詞には様々なものがありますが、このうち最も自然だと思われるのは「辞書を引く」です。「辞書」と「引く」のように最も高確率で共起し、最も自然な組み合わせと思われる語と語をコロケーションと呼びます。

 選択肢3の「風邪」と「引く」がコロケーションの例。
 答えは3です。

問3 チャンキング

 人間が知覚する情報のまとまりを意味する語をチャンクと呼びます。人が短期記憶として一度に覚えられるものは4~7個の情報だとされており、それ以上覚えるためには、情報をかたまりで覚えるチャンキングを使うことが必要になります。

 例えば電話番号を「09012345678」を「0-9-0-1-2-3-4-5-6-7-8」と1つずつ11個の情報に分けて覚えようとするのは難しいんですが、「090-1234-5678」と3つのチャンクに分けると覚えやすくなります。

 選択肢2「複数の語が一まとまりとして処理される」がチャンキングのことです!
 したがって答えは2です。

問4 記憶に残りにくい指導法

 初心者に対義語や類義語を一緒に提示すると覚えにくいそうです。その理由は選択肢1に書いてます。

 初級では「寒い」「涼しい」「冷たい」など似たような類義語を並べて覚えようとすると混乱しやすいです。意味が近いだけに、どれがどれか母語の単語との対応関係があやふやになるからです。また、「寒い-暑い」「涼しい-暖かい」「冷たい-熱い」「冷たい-温かい」みたいに対義関係を並べて同時に覚えようとしても混乱しやすくなります。

 答えは1です。

問5 対義語や類義語を指導する際の留意点

選択肢1

 「きれい」と「汚い」は対義関係にありますが、それだけで提示せず、「きれいな人」「きれいな部屋」「きれいな景色」、「部屋が汚い」「汚い服」「汚い靴」みたいに用例を挙げると具体的にイメージしやすくなり、覚えやすくなります。正しい記述。

選択肢2

 「橋の長さはどれくらいですか?」「mmより短い長さの単位を知ってますか?」などと言うことが多いのは、私たちは多くのものに「短い」より「長い」のほうに必要度を感じているためです。短さに焦点が当たるような場面では「人生の短さ」のように言えますが、使用頻度が高いのはやはり「長い」だろうと思われます。そのようなときは「長い」から導入したほうがいい、という教育的な考え方はおおむね賛成です。

選択肢3

 選択肢1と同じです。用例を挙げると覚えやすくなります。この選択肢は適当

選択肢4

 「暑い」や「寒い」は天気にしか使えませんが、「hot」や「cold」は天気にも飲み物の温度などにも使えます。言語によって使える範囲が異なるので、一対一で教えるのは望ましくありません。

 答えは4です。

 




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