平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

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平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

問1 学習観、教育観のパラダイム・シフト

 教師が主体となる知識伝達型の教育から、今では学習者主体の活動参加型に変わってきています。活動参加型の授業では、ピア・ラーニングやグループワークなどを多用します。

 したがって答えは4です。

問2 学習者同士がお互いに支援する形で学び合う手法

 問1でも述べたように、今では活動参加型の授業が主流となっています。活動参加型の授業では学習者が中心となるため、学習者間の交流が増え、お互いに助け合って課題をこなしていくことが求められます。この教育観では、学習者同士がお互いを学習の人的リソースとして利用し、効率的な学びを得られるようにしようとする考えが根底にあります。

 したがって答えは4です。

問3 ピア・ラーニング

 ピア・ラーニングとは、同じような立場の仲間(ピア)で行う活動のことです。20名で同時に話し合いをすると、各学習者の発話の機会が減ってしまいます。4名ずつに分けて話し合いをさせたのは、発話の機会を増やして全ての意見が尊重されやすくするためです。

 答えは4です。

問4 学習者オートノミー

 学習者が自ら学びを構築していく能力を学習者オートノミーといって、その能力にもとづいて実現される学習を自律学習と言います。

 1 これが答え
 2 ???
 3 自律学習において、学習者が必要なリソースで自らアクセスすること
 4 集団において、人の行動や思考や集団から影響を受け、また集団に対しても影響を与えるという特性のこと。

 答えは1です。

問5 学習者が自ら学びを構築していくこと

 ここで学習ストラテジーという語が出てきてます。これは優れた言語学習者が学習の際に用いるストラテジーのことです。詳しくはリンク先をご覧ください。ここではその分類の6つを簡単に紹介します。

直接 記憶 知識を結び付けたり、イメージしたり、復習したり、身体動作を使って覚えたりする記憶術全般。
認知 覚えた表現を使ったり、情報を分析、推論したり、理解を深めるためにノートにまとめたりするなどの知識を操作、変換するストラテジー。
補償 目標言語を理解したり発話したりする時に、足りない知識を補うために行う(コミュニケーション・ストラテジーなどの)ストラテジー。
間接 メタ認知 自分の学習過程を調整したり、自分自身をモニターするなどの学習者が自らの学習を管理するために用いるストラテジー。
情意 自分を励ましたり、音楽を聴いてリラックスしたりするなどの学習者が自身の情意面をコントロールするためのストラテジー。
社会的 質問したりして学習に他者を関わらせて学習を促進させるストラテジー。

選択肢1

 自分自身の学習をモニターするという内容がメタ認知ストラテジーのキーワード

選択肢2

 自分の信念(ビリーフ)を貫いて学習するのはちょっと危険。その信念が正しいとは限らないからです。他人の意見を聞いたりして柔軟に学習したほうがいいかも。

選択肢3

 自分の学習を管理するのはメタ認知ストラテジー

選択肢4

 感情をコントロールするというキーワードから情意ストラテジーであることが分かります。

 学習ストラテジーに含まれないのは選択肢2。答えは2です。

 




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