平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3C解説
(11)イ形容詞を名詞に変える接尾辞
「丸い」を例にとって考えてみると、「丸まる」は動詞、「丸さ」は名詞に変わります。
だから答えは3です。
(12)「御~」の例外
原則として漢語は「ご」、和語は「お」がつきますが、例外もあります。
1 「挨拶」は漢語なので、「ご挨拶」は例外ではありません。
2 「願い」は和語なので、「お願い」は例外ではありません。
3 「礼」は漢語なので、「お礼」は例外です。
4 「利用」は漢語なので、「ご利用」は例外ではありません。
答えは3です。
(13)「~的」
選択肢1
「建設的」「イメージ的」「わたし的」など、漢語にも外来語にも和語にも接続できます。
和語に接続できないというのは間違い。
選択肢2
書き言葉でも話し言葉でも使用されます。「機械的」とかは書き言葉寄りかもしれないけど話し言葉で使っても問題なし。「私的には」とかだったら完全に話し言葉。
この選択肢は間違い。
選択肢3
中国語で使用される「的」は日本語の「の」に相当する意味を持っています。例えば「我的书」は「私の本」で、ちょうど「的」が「の」に対応しています。しかし、日本語の「的」には「私的には」のような使い方があり、この「的」は「~にとっては」という意味です。中国語の「的」ではこの意味を表すことはできません。だからこの選択肢は間違い。
選択肢4
「建設的」のように「的」を接続することでナ形容詞を作る用法もありますが、「公的年金」のように直接名詞を修飾する用法もあります。
この選択肢が答え。
答えは4です。
(14)造語力が弱い接辞
「~めく」は造語力がほとんどなく、「春」「謎」「冗談」「皮肉」「説教」などの特定の単語にのみに接続できます。
答えは4です。
(15)意味によって読み方が変わるもの
選択肢1
程度や規模が大きいことを表す「大規模」の「大」は「だい」と読みます。
質の高さや量の多さを表す「大雑把」「大人数」は「おお」と読みます。
逆。
選択肢2
出身や所属を表す「日本人」の「人」は「じん」と読みます。
動作をする人を表す「3人」などの「人」は「にん」と読みます。
選択肢3
動作・作用の方法や様相を表す「作り方」の「方」は「かた」と読みます。
人を表す名詞につき複数を表す「あなた方」の「方」は「がた」と読みます。
選択肢4
分量・割合を表す「5分」などの「分」は「ぶん/ぶ」と読みます。
時間・時刻の単位を表す「4分」などの「分」は「ふん・ぷん」と読みます。
答えは1です。
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