副詞節
主節全体や主節の述語を副詞的に修飾する従属節を副詞節、もしくは連用修飾節と言います。ここでは日本語記述文法研究会(2008)にしたがい、主節との因果関係を表す節、主節の事態成立時を表す節、主節の目的を表す節、主節の様態や程度を表す節などをまとめて副詞節としてまとめます。
(1) 薬を飲めば治る。
(2) 東京に行ったとき、これを買いました。
(3) 荷物を整理して、出発する。
(4) 試験に合格するために毎日頑張っています。
(5) 母のように優しい人になりたい。
(6) スマホを見ながら歩く。
(7) 痛いくらい気持ちが分かる。
(8) 頭を使って考える。
(1)の従属節「薬を飲めば」は主節「治る」の事態成立の条件にあたります。このように主節との因果関係を表す従属節は特に条件節と呼ばれます。(2)(3)は主節「これを買いました」「出発する」の事態が成立する時を従属節の事態によって限定しています。すなわち(2)においては、主節「これを買いました」という事態が成立した時は、従属節「東京に行った」という事態が成立した時であり、主節の事態の成立時は従属節の事態の成立時によって限定されています。(5)(6)は「どのように?」に対応する様態を表す副詞的成分と同じ機能で用言「優しい」「歩く」を修飾しています。(7)は「どのくらい?」に対応する程度を表す副詞的成分と同じ機能で用言「分かる」を修飾しています。(8)の従属節は主節の手段・方法を表し、用言「考える」を修飾する副詞的成分です。
このように副詞節は多岐にわたります。
参考文献
リンク
日本語記述文法研究会(2008)『現代日本語文法6 第11部 複文』93-252頁.くろしお出版
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