6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

ダイグロシアとは?

ダイグロシア(diglossia)

 ダイグロシア(diglossia)とは、社会言語学者のファーガソン(C.Ferguson)が提唱した用語で、ある社会に明らかに異なる2つの言語(方言・変種)が同時に存在し、ある状況では一方の言語が使われ、別の状況ではもう一方の言語が使われるような状態のことです。二言語変種使い分けとも呼ばれます。ダイグロシアにおける二言語は、どちらか一方が高級な言語(H変種:High veriety)で、もう一方がそうではない言語(L変種:Low veriety)であり、それぞれが独自の機能を持って状況に応じはっきりと使い分けられます。ファーガソンはダイグロシアの例としてモロッコなどを挙げています。モロッコでは古典アラビア語とモロッコ・アラビア語が言語として使われており、古典アラビア語は高級な言語として教会や学校、テレビ、新聞などで用いられ、一方、モロッコ・アラビア語は日常生活で誰もが話す一般的な言語として使われています。ダイグロシアはモロッコだけでなく、多言語社会ではよく見られます。

 ※”di” は2つの意

参考文献

 東照二(2009)『社会言語学入門<改訂版> 生きた言葉のおもしろさに迫る』17-20頁.研究社
 岩田祐子・重光由加・村田泰美(2022)『改訂版 社会言語学—基本からディスコース分析まで』113-115頁.ひつじ書房




コメント

コメントする