方言コスプレ
提唱者である田中(2011:3)は「話し手自身が本来身につけている生まれ育った土地の「方言(生育地方言)」とはかかわりなく、日本語社会で生活する人々の頭の中にあるイメージとしての『〇〇方言』を、その場その場で演出しようとするキャラクター、雰囲気、内容にあわせて臨時的に着脱すること」を方言コスプレ(dialect cosplay)と定義しています。私も青森出身でありながら友達が何かボケたときに「なんでやねん!」と関西方言を借用することがありますが、これが方言コスプレの例です。
SNSが普及して音声ではなく文字によるコミュニケーションが増えました。こうした非対面・非同期のコミュニケーションは「音声を伴わないため、正確な再現がなかなか難しい『方言』のアクセントやイントネーションを気にせずにヴァーチャル方言を使用することができる(田中 2011:14)」ようになり、方言コスプレが広まる要因になっているようです。確かに文字によるコミュニケーションのほうが語尾に「~やん」「~やろ」などつけやすい感じがします。
参考文献
田中ゆかり(2011)『「方言コスプレ」の時代-ニセ関西弁から竜馬語まで』岩波書店
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