なぜ日本語はお願いするときに「申し訳ありません」と言う?

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日本語Q&A

質問者さん
(中国)

なぜ日本語では、お願いするするときに「申し訳ありません」や「すみません」と言うんですか?

管理人

日本語母語話者には「依頼=相手に迷惑をかけること」という意識があります。
だから謝罪の言葉を述べるんです。

日本語母語話者は依頼するときになぜ「申し訳ありません」と言う?

 日本語母語話者にとって依頼することは相手に迷惑をかけることという意識があります。だから依頼しなくて済むならそもそも依頼せず、迷惑をかけること自体を避けようとします。どうしても依頼をしなければいけないなら相手に迷惑をかけることを詫びる必要があるので「申し訳ありません」などの謝罪の言葉が出てきます。最後は相手に配慮して恐縮する気持ちを表すために「よろしくお願いします」と言うのが日本語の依頼場面における語用論的な規則です。

 ご連絡遅くなり申し訳ありません。卒論についてですが、先生のご都合がよろしければ、来週お時間いただけたらと思います。私は月曜日から木曜日まで、日中であればいつでも時間があります。お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします

中国語母語話者は依頼するときになぜ「ありがとうございます」と言う?

 日本語では依頼するとき謝罪の言葉が出てくるんですが、中国語だと感謝の言葉が出てきます。

 中国社会では、依頼されることは自分の面子が評価されたと考え、依頼された側はその依頼を自分の面子にかけて実現しようとします。あまり「関係」が築かれていない人にはそもそも重要な依頼をしないし、そもそも依頼を叶えてくれる前提で依頼します。だから何かを依頼するときは相手が依頼内容を円滑に実現できるよう依頼内容をはっきりと伝え、そうすることが常識であり丁寧であると考えています。また、「面子」が社会で非常に重要な役割を担っていて、依頼する場面だけでなく、あらゆる場面で相手の面子を汚さないように褒めたり感謝するのが重要になってきます。

 以下は私が実際に中国語母語話者からもらったメッセージです。

 日本語の学習はうまくできていません。中国式の日本語を表すことが多いです。日本の方みたいな日本語を習得するために、都合がよいとき、先生の意見を聞かせてもらえませんか。ご返事をお待ちしております。ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます

 この依頼談話を見てみると、相手の面子を汚さないように感謝の言葉である「ありがとうございます」で締められています。この「ありがとうございます」はただの感謝ではなく、依頼相手の面子を保つ重要な一言です。

まとめ

 日本語母語話者が中国語を学ぶと、依頼なのになぜ「谢谢」というのか疑問に思います。逆に中国語母語話者が日本語を学ぶと、依頼なのになぜ「申し訳ありません」というのか疑問に思います。お互いの言語で依頼場面における基本的な意識が異なることが原因です。日本語ではそういうルールがあり、中国語にはそういうルールがあるってことを知っておくともっと自然な表現が可能になるし、相手を怒らせたり、失礼になる可能性も避けられます。

参考文献




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