日本語Q&A
質問者さん(中国)
管理人
「試す」の使い方
「試す」は人の能力や物の性能、物事によって得られる効果や価値などに関して、予想通りの程度であるかどうかを実際の何らかの試験的な行動によって調べることを表します。以下の例文は「試みる」に言い換えることはできません。
(1) 自分の力がどのくらい通用するか試してみよう。
(2) 留学は自分を試す絶好の機会である。
(3) CPUの演算性能を試す。
(4) 相手を試すような人とは別れた方が良い。
(5) 新薬の効果を試す。
(6) 注文した新しいマイクは明日届くから明日試す。
「試みる」の使い方
「試みる」はとりあえずやってみる、挑戦してみるという意味で用います。「試す」とは違って”とりあえずやる”感が強いので、それをやってみた結果どうなるかということまではそれほど考えていないような感じです。以下の例文は「試す」に言い換えることはできません。
(7) 古い友人に連絡を試みたがダメだった。
(8) エアコンの近くに移動しようと試みたが、すでに妹が占拠してて断念。
(9) 私なりに説明を試みましたが、納得してくれませんでした。
(10) 犯人は近隣の住宅に放火を試みたが失敗したそうだ。
(11) 刑務所からの脱出を試みる。
(12) トイレの水が出なくなり自分で修理を試みたけど、結局業者に頼んだ。
「試す」も「試みる」もどっちも使える場合
何かを実現するための方策をやってみる、という場合には「試す」も「試みる」も使えるようです。ただし、(13a)の場合はその方策をやってみた結果が予想に照らしてどうだったかを検証するような目的で行うのに対し、(13b)はとりあえずやってみるだけにとどまります。
(13)a 別の方法を試す。
b 別の方法を試みる。
(14)a Wifiがおかしくなったら、まずはルーターの再起動を試そう。
b Wifiがおかしくなったら、まずはルーターの再起動を試みよう。
ただし、能力を試す場合には、「試す」は自分と他人の能力を目的語に取れますが、「試みる」は自分の能力しか取れません。
(17)a 私は、自分がどのくらい走れるか試す。
b 私は、彼がどのくらい走れるか試す。
(18)a 私は、自分がどのくらい走れるか試みる。
b *私は、彼がどのくらい走れるか試みる。
参考文献
田忠魁・泉原省二・金相順(1998)『類義語使い分け辞典: 日本語類似表現のニュアンスの違いを例証する』504頁.研究社

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