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「おさせになる」は文法的に正しい敬語?

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日本語Q&A

質問者さん
(中国)

使役の「させる」と尊敬表現「お~になる」を組み合わせて、「おさせになる」という表現は文法的に正しいでしょうか?
例えば運営側がデザインセミナーの講師を招いて、事前にその講師に対して「先生がお話しされた後、参加者の方に実際にデザインをおさせになりますよね。その時スタッフもお手伝いします。」といった場合です。

管理人

「おさせになる」は文法的に正しい敬語だと思います。
ただし、あまり聞き馴れていないので自然な表現に聞こえにくいと思われます。

動詞を尊敬語にする方法

 多くの動詞を尊敬語にするには「~られる」「お~になる」を使うといいです。「持つ」を例に考えてみると…

 (1) 社長が荷物を持っています。     (普通の文)
 (2) 社長が荷物を持たています。    (「~られる」を使った尊敬)
 (3) 社長が荷物を持ちになっています。 (「お~になる」を使った尊敬)

 (1)の文は尊敬語が含まれていない普通の文です。この文の社長が行った動作「持つ」を尊敬語にして社長を立てたい場合は、「~られる」を使って(2)「持たれる」のように言ったり、「お~になる」を使って(3)「お持ちになる」のように言ったりすれば大丈夫です。

 これ同じく「させる」も尊敬語にすることはできます。

 (4) 先生が参加者の方にデザインをさせます。     (普通の文)
 (5) 先生が参加者の方にデザインをさせられます。   (「~られる」を使った尊敬)
 (6) 先生が参加者の方にデザインをさせになります。 (「お~になる」を使った尊敬)

 質問者さんが挙げた(6)のような言い方は、私は形態・統語的にも問題がないように感じるので文法的に間違っているとは言えないと思います。でも実はほとんど聞いたことがない表現で、意味は分かるけどなんかちょっと変…くらいの印象。

【余談】「先生が参加者にデザインをさせられます」の解釈

 それから、上の例文(5)は2つの解釈ができます。

 (5) 先生が参加者の方にデザインをさせられます。
     (老师让参与者设计服装。)<尊敬の解釈>
 (5) 先生が参加者の方にデザインをさせられます。
     (老师被参与者设计服装。)<受身の解釈>

 先生の「デザインをさせる」という行為に敬意を表して「させられる」とした場合は尊敬の意味になりますが、「られる」が受身の意味に解釈できる場合もあります。このような曖昧性は文脈があれば解消されますから、実のところ大きな問題はないと思います。

参考文献

 なし




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