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日本語Q&A
質問者さん(日本)
日本語教師の試験の過去問に「副詞的成分」ということばが出てくるのですが、これは「副詞」とは違うものでしょうか。
管理人
主に用言を修飾する専用の機能を持った語を「副詞」と呼ぶのに対し、元々副詞でない品詞の語が副詞っぽく用言を修飾しているとき、その成分を「副詞的成分」と呼び分けます。
「副詞」と「副詞的成分」の違い
一般に、主に用言(動詞、イ形容詞、ナ形容詞)を修飾する専用の機能を持った語を副詞と呼んでいます。次の例文の「ぬるっと」は動詞「現れる」を、「とても」はイ形容詞「うるさい」を、「かなり」は「静か」を修飾していて、典型的な副詞として扱われているものです。
(1) ぬるっと現れる。
(2) とてもうるさい。
(3) かなり静かだ。
では、次の下線部は副詞でしょうか。
(4) 本を1冊借りてきた。
(5) 黙って見る。
(6) 壁を赤く塗った。
「1冊」は動詞「借りてきた」を修飾していて副詞っぽいですが、「借りてきた1冊」のように用言に修飾される名詞としても使えて、実はもともと名詞です。「黙って」は動詞「見る」を修飾しているので副詞っぽい働きをしていますが、そもそも副詞ではなく「黙る」という動詞のテ形です。「赤く」も動詞「塗った」を修飾していて副詞っぽいですが、これはもともとイ形容詞「赤い」でその連用形にあたります。こういう風に本来副詞でない品詞の語を副詞っぽく使ったものを副詞と区別して「副詞的成分」と呼びます。
(4)の「1冊」は名詞を副詞のように使っているので名詞の副詞的用法だし、(5)の「黙って」は動詞の副詞的用法、(6)の「赤く」はイ形容詞の副詞的用法です。
こういう風にみると全ての補語は述語を修飾するので副詞的成分です
参考文献
北澤尚(2016)「副詞の用法」『品詞別 学校文法講座 第四巻 副詞・連体詞・接続詞・感動詞』15-16頁.明治書院

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