語根とは？

語根（root）

　語根（root）とは、語彙的な意味を持ち、接辞を全て取り除いたあとに残る、それ以上細かく分割できない形態素のことです。例えば「話される（hanas-are-ru）」は、-are と -ru を取り除いたあとに残った hanas が語根です。「不確実性（hu-kakujitu-sei）」は、hu- と -sei を取り除いたあとに残った kakujitu が語根です。英語の unintentionally は un-intent-ion-al-ly という５つの形態素によって構成されていますが、このうち un- , -ion, -al, -ly は接辞であり、これらを取り除いたあとに残った intent が語根にあたります。
　語根は「子犬（ko-inu）」の inu のような自由形態素もあれば、「話す（hanas-u）」の hanas のように拘束形態素もあります。

　（１）　「話される（hanas-are-ru）」における hanas
　（２）　「不確実性（hu-kakujitu-sei）」における kakujitu
　（３）　「子犬（ko-inu）」における inu
　（４）　「書ける（kak-e-ru）」における kak
　（５）　「ご友人たち（go-yuujin-tati）」における yuujin

参考文献

　漆原朗子（2016）『朝倉日英対照言語学シリーズ４ 形態論』朝倉書店
　斎藤純男（2010）『言語学入門』61-63頁.三省堂
　斎藤純男,田口善久,西村義樹編（2015）『明解言語学辞典』133-134頁.三省堂
　リンゼイ J.ウェイリー,大堀壽夫ら訳（2006）『言語類型論入門－言語の普遍性と多様性』117-124頁.岩波書店