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令和5年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題15解説

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令和5年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題15解説

問1 日本語の基礎

 関(2013: 2)には次のように書かれています。

 第4期の『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)は、『新日本語の基礎』→その前身の『日本語の基礎』との「血縁関係」があります。

 「みんなの日本語」はさかのぼると「新日本語の基礎」をベースにしていて、「新日本語の基礎」はさらに「日本語の基礎」をベースにしているとのこと。
 よって答えは4です。

 参考文献:関正昭(2013)「日本語教科書のこれまで」『Ja-Net』66号.1-2頁.スリーエーネットワーク

問2 難民

 「難民に対する日本語教育 | 文化庁」にはこう書かれています。

(1)条約難民に対する日本語教育事業
  [1]定住支援施設における日本語教育
  [2]日本語学習教材の提供
  [3]日本語教育相談員による指導・助言

 1 上記[1]にあたる内容
 2 上記[2]にあたる内容
 3 記載はありません
 4 上記[3]にあたる内容

 答えは3です。

問3 1990年に実施された「出入国管理及び難民認定法」の改正

 1 正しい記述。1990年の改正で在留資格「定住者」が新たに創設されたのは事実です。そして日系3世までに就労可能な地位が与えられました。
 2 「高度専門職」が創設されたのは2014年です。間違い。
 3 「留学」と「就学」が一本化したのは2010年です。間違い。
 4 「技術」と「人文知識・国際業務」が統合されて「技術・人文知識・国際業務」になったのは2014年です。間違い。

 答えは1

問4 外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策

 「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 | 出入国在留管理庁」には次のような記述があります。

 外国人材を適正に受け入れ、共生社会の実現を図ることにより、日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会の実現に寄与するという目的を達成するため…

 これと全く同じのが選択肢2。
 答えは2です。

問5 日本語教育の参照枠

 文化庁の「日本語教育の参照枠 報告」からの出題です。

選択肢1

 日本語学習者の周囲の人々(家族、友人、職場の人、地域住民等)による日本語学習者の日本語能力の熟達度の把握が可能となり、日本語学習者を支える環境が醸成される。

 9ページにはこのようにあり、選択肢の内容と一致します。これは適当。

選択肢2

 「日本語教育の参照枠 報告」にはそうした記述はありません。

選択肢3

 学習者は、転居や転職によって日本語を学ぶ場が変わったとしても、継続的な日本語学習が可能となる。

 14ページにはこのようにあるので、この選択肢は正しいです。

選択肢4

 また、共通の指標での日本語能力判定に関する評価が得られることにより、受験者はどの試験を受験しても、熟達度のレベルについて、個別の試験の独自性や特質を勘案した上で、測定結果を相互に参照できる枠組みに基づいた教育的なフィードバックを得ることができる。

 90ページにはこうありますので、この選択肢は正しいです。

 
 答えは2です。




コメント

コメント一覧 (2件)

  • 4にしました。
    以下ウェブサイトでは『”新日本語の基礎”との姉妹本のような存在』だと書かれています。信憑性は不明。

  • 『みんなの日本語』だと思います。
    講義で下記引用文を読んだ後、先生が「これが今皆さんが使っている『みんなの日本語』のルーツです」と述べられたのを記憶しています。

    以下引用
    「1959年,海外技術者研修協会が発足し,海外途上国への技術協力のための日本語教育も始められました。製造工場での実地訓練に耐えるために1~2ヶ月での日本語集中訓練を行うための教科書として『日本語の基礎 Ⅰ』 及び『日本語の基礎 Ⅱ』 が開発されました。 12カ国語の別冊翻訳を用意したので,のちに一般の日本語学校が激増したおりにはずいぶん利用されました。」 国際日本語研修協会『やさしい日本語指導3ー日本語教育の歴史と現状 』第3章第1節冒頭

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