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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題8解説

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令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題8解説

問1 ソーシャル・サポート

 社会的関係の中でやりとりされる学習者への支援のことをソーシャルサポートと言います。研究者によっていろんな分類があるんですが、ソーシャルサポートの代表的な分類はHouse(1981)で以下の4つに分類されます。

情緒的サポート 尊敬、共感、思いやり、信頼、愛情などを提供して情緒面に働きかけるサポート。
評価的サポート 肯定したり、フィードバックを行ったり、他者と比較して能力などを評価するサポート。
情報的サポート 問題に対処するために必要な情報や知識をアドバイス、提案、指示などの形で提供するサポート。
道具的サポート 物やお金を貸したり、仕事や作業を手伝ったりするような直接助けることを目的としたサポート。

 1 慰めてるから情緒的サポート
 2 情報を紹介しているから情報的サポート
 3 物資をあげてるから道具的サポート
 4 「頑張ってるね」と肯定しているから評価的サポート

 答え3です。

問2 ストレス

選択肢1

 やりたくもない仕事を任されたら当然ストレスですけど、その逆もストレスになることがあります。以前地域の養成講座に講師として呼ばまして、それ自体はすごく嬉しかったんです。でもちゃんと準備しなきゃ、日本語の面白いところをちゃんと伝えなきゃとプレッシャーみたいなものが襲い掛かってきてそれがストレスになったことがあります。
 こんなことを考えながら、好ましいことも好ましくないこともストレスにはなるなあと思ってこれを選びました。

選択肢2

 ストレスがあるとまあ普通は生産性が下がるんじゃないかと思いますが、かえってストレスを跳ね除けよう、克服しようと考え強くなれる人もいます。生産性が上がるか下がるかは個人によって違います。

選択肢3

 受けるストレスの程度は人によって違います。

選択肢4

 ストレスが軽減されるときは、ストレスのおおもとが解決したり、精神的に乗り越えたりしたときですよね。
 解決法を考え続けて思いつけば軽減すると思いますが、解決法が見つからずに考え続けているのは逆にストレス。

 答えは1です。

問3 ソーシャル・サポート・ネットワーキング

 その人を取り巻いている家族、友達、近隣住民、先生、カウンセラーなどの援助関係のことをソーシャル・サポート・ネットワーキングと言います。このネットワークの中で行われる、その人に対する有益な援助をソーシャル・サポートと呼んでいて、これが問1で示したような分類があります。

 留学生に限らず、外国に行くというのは本当に大変なことです。表面上は困っていないように見せる、カッコつけようとする、弱みを見せないようにするのが普通で、実はいろんなことに困っていたりします。日本語学校の専任教員は授業以外にそういったケアもしないといけないですね。

選択肢1

 大学を想定した話だと思います。大学の先生は学術研究することが仕事ですから、留学生がどんな状態に陥っているかなんて普通気にしません。それは彼らの本業ではないのでしょうがないです。だからこそ留学生の近くにいる日本語教師が担当教員にどんな状況であるかを伝え、配慮させるようなことをします。場合によっては必要なソーシャル・サポートです。

選択肢2

 これも必要です。私も中国にいた頃は大変でした。病院に行きたいと思っていても言葉もあまりできない、勝手も分からないという状況で、仮に何か命にかかわる問題が起きたら途方に暮れたと思います。幸い病院にお世話になることがなかったですが…
 学生の母語に対応している病院なのかどうか、必要であれば先生がちゃんと確認してあげてお医者さんに話を通しておくというサポートは重要です。留学生活はまず命や健康。

選択肢3

 こういったものはソーシャル・サポートとは言いません。サポートの対象者は何か困っていることがあって、その困っていることを解決するために周囲の人々がサポートします。留学生向けのオリエンテーションで教科書を販売するのは普通のこと。

選択肢4

 何か同じような悩みを抱えている人たちが集まってお互いに助け合うことを目的としたグループを自助グループと言います。留学生は似ている悩みを持つことが多いので、グループを作って助け合うのは有効なサポートになります。

 よって答えは3

問4 危機介入

 危機的状況に陥った対象者をできるだけその状態から早く救ってあげることを目的とした援助を危機介入と言います。

選択肢1

 家族や友人と切り離し? それはダメ。

選択肢2

 カウンセラーが自分の時間的都合で対象者を来させる、そんなあぐらかいたやり方はダメ。
 危機的状況に陥っている人を助けるためならその人を優先すべきです。

選択肢3

 これが答え。
 危機介入の目的はできるだけ早く元の状態に戻すことであって、内面に深く入ることよりも優先されます。

選択肢4

 危機介入の目的はできるだけ早く元の状態に戻すこと。その後の心理的成長が現れるかどうかは危機介入で行うことじゃない。

 答えは3です。

問5 自己開示

 素の自分を相手にさらけ出すことを自己開示と言います。お互いの自己開示が進むといわゆる「仲良くなった」という感じになります。

選択肢1

 その通りです。
 同じ留学生で同じ性別、同じ価値観を持っている人だったらお互いにさらけ出して自己開示しやすくなります。
 しかし留学生と先生だとやや難しくなります。先生は留学生の成績を握っているし、そもそも上下関係もあるし。

選択肢2

 恩恵を得る機能を持つ? 意味が分からない。
 自己開示すると相手に与える情報は増えるので、「調整する」というのも違います。

選択肢3

 自己開示の目的は自分の能力を高く見せることではありません。
 親しくなりたい、あなたを信用している、といった類の気持ちからくる行動です。

選択肢4

 「自己開示の度合いに差がないと親密度が上がる」が正しい記述です。
 AさんはBさんに自己開示しているのに、Bさんはしない。たぶんBさんはAさんを信用していないし、親しくなろうともしていません。そんな状態では親密度があがりにくいです。

 答えは1

 




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