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令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題13解説

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令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題13解説

問1 社会的アイデンティティ

 社会的アイデンティティとは、ある社会的な集団に所属していることを基準にした自らの認識のことです。
 集団ではなく、個人の経歴や特徴などを基準にした自らの認識は個人的アイデンティティです。

 1 個人的アイデンティティ
 2 個人的アイデンティティ
 3 社会的アイデンティティ
 4 個人的アイデンティティ

 選択肢3の「性」には男性や女性といった社会的集団、「国籍」には国という社会的集団がかかわり、どの社会的集団に属しているかによって個人の中に社会的アイデンティティが形成されます。

 答えは3です。

問2 日本語の継承語教育

 この問題は解説不能なのでとりあえず放置!
 答えは1です。

問3 会話的コード・スイッチング

 コードスイッチングとは、相手や場面、話題に応じて言語そのもの、あるいは同一言語内の言語変種を使い分けることです。コードスイッチングの分類は研究者によって様々ですが、試験では次の3分類をよく出題しています。

会話的コードスイッチング 会話の流れを維持しながら行われるコードスイッチングの一種で、情報を補足したり、相手の発話を引用したり繰り返したりするなどに用いるコードスイッチングを指します。
状況的コードスイッチング 状況や場面に応じて行われるコードスイッチングの一種。外的要因によってスイッチするものを指します。
隠喩的コードスイッチング 話し手との親密さや連帯感を強めるために行われるコードスイッチングの一種で、発言に何らかの特別なニュアンスを付与するために起こるもの。内的要因によってスイッチするものを指します。

 1 会話の流れを維持してるので会話的コードスイッチング
 2 状況が変わって英語が必要になったので状況的コードスイッチング
 3 英語が分かる人には英語で話すのは状況的コードスイッチング
 4 隠喩的コードスイッチング

 したがって答えは1です。

問4 日本語指導が必要な外国籍の児童生徒

 統計情報は「「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成 30 年度)」の結果について」から。

 1位 ポルトガル語 10,404人
 2位 中国語 9,712人
 3位 フィリピノ語 7,919人
 4位 その他 5,386人
 5位 スペイン語 3,788人
 6位 ベトナム語 1,845人

 したがって答えは4です。

問5 アイデンティティへの配慮

選択肢1

 学習が自身にアイデンティティに影響しないように配慮するのは実質不可能。もともと持っているアイデンティティを傷つけないように配慮するのほうが重要です。この選択肢は間違い。

選択肢2

 日本文化に合わせさせるのは間違ってます。合わせるかどうかは学習者の自由で、教師はそれを強制してはいけません。この選択肢は間違い。

選択肢3

 正しいです。2つの文化間でアイデンティティが揺れるので、ある程度の配慮は必要です。

選択肢4

 日本語を指導するときに日本の文化や価値観に触れないわけにはいきません。日本文化に合わせた行動を強制するのは間違っていますが、生活していくために日本文化はこうであるという説明は必要でしょう。それを受け入れるかどうかは学習者におまかせ。

 よって答えは3です。

 




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