6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(8)解説

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(8)解説

(8)補助動詞

 取り出す、嚙み切る、殴り倒すのように、複合動詞の後部要素の動詞が本来の語彙的な意味を担っている語を語彙的複合動詞と呼びます。逆に、食べ切る、話し込む、降り出すのように、複合動詞の後部要素の動詞が本来の意味を失い、文法的な機能を担うようになった語を統語的複合動詞と呼びます。そしてこの統語的複合動詞の後部要素を一般に「補助動詞」と呼びます。

選択肢1

 後部要素「みる」は目で見るという意味がなくなって、「試す」の意になってます。
 本来の意味を失ってるので「座ってみる」は統語的複合動詞。すなわち「~みる」は補助動詞。

選択肢2

 後部要素「かえる」は平仮名で書かれていて惑わそうとしてますが、「帰る」の意味そのもので本来を意味を保持したままです。だから「持ってかえる」は語彙的複合動詞であり、「~かえる」は補助動詞とは言いません。
 これが答え。

選択肢3

 後部要素「ある」は存在の意味が薄くなり、結果の状態を表すアスペクト表現となっています。だから「飾ってある」は統語的複合動詞で、「~ある」は補助動詞です。

選択肢4

 後部要素「しまう」は片付けるという意味がもはやなくて完了を表すようになってます。だから「忘れてしまう」は統語的複合動詞で、「~しまう」は補助動詞です。

選択肢5

 後部要素「くる」は何かが自分のところに移動することを表す「来る」とは違う意味のようで、意味が薄くなってます。もっと抽象的なものの移動を表してるみたいですね。だから「見えてくる」は統語的複合動詞、「~くる」は補助動詞です。

 だから答えは2です。




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