6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【練習問題】(771)形容詞

【練習問題】(771)形容詞

事物の性質を述べる形容詞には、事物自体が持つ性質を述べるものと、事物自体が持つ性質を述べるのではなく他の事物と比較することで明らかになる相対的な性質を述べるものがある。前者の例として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
 
 1 亀は歩くのが遅い
 2 リンゴは赤い果物だ。
 3 今日の空は青い
 4 この車は大きい











解説

 選択肢1 亀は歩くのが遅い。
 私たちが「亀は遅い」とよく言いますが、一体何と比較して遅いと言っているんでしょう。実は人間の歩くスピードと比較して遅いと言っています。比較対象が人間であることを私たちは通常自覚できません。
 ここで注意すべきは、「亀」自体が「遅い」という性質を持っているのではなく、人間と比較した時に相対的に亀は「遅い」という性質を持っている点です。これは後者の「事物自体が持つ性質を述べるのではなく他の事物と比較することで明らかになる相対的な性質を述べるもの」の例なので間違い。

 選択肢2 リンゴは赤い果物だ。
 リンゴを「赤い」と形容しています。何か別のものと比較してそれより「赤い」と言っているわけではなく、リンゴが持っている「赤い」性質を見て「赤い」と言っているだけ。これが前者の「事物自体が持つ性質を述べるもの」の例です。これが正しい選択肢。

 選択肢3 今日の空は青い。
 暗に他の日の空の色と比較しているのが分かります。それらと比較して「今日の空は青い」と言っているわけで、これは後者の「事物自体が持つ性質を述べるのではなく他の事物と比較することで明らかになる相対的な性質を述べるもの」の例です。

 選択肢4 この車は大きい。
 他の車と比較して「この車は大きい」と言っています。比較対象が存在することでやっと「大きい」と言えるのでこれは後者の「事物自体が持つ性質を述べるのではなく他の事物と比較することで明らかになる相対的な性質を述べるもの」の例。

 したがって答えは2です。




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