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【練習問題】(337)使役表現の用法

【練習問題】(337)使役表現の用法

【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを、それぞれ1~5の中から一つ選べ。
 
【使役表現の用法】
 1 首を押さえつけて無理やりこっちを見させる
 2 ファンに夢を見させるような職業につきたい。
 3 ネチネチ絡みついて人を嫌な気持ちにさせる
 4 嫌がる子供にたくさんの習い事を習わせる
 5 相手に屈辱を与えるために靴を舐めさせる











解説

 1 強制(被使役者が望まないもの)
 2 強制(被使役者が望んでいるもの)
 3 強制(被使役者が望まないもの)
 4 強制(被使役者が望まないもの)
 5 強制(被使役者が望まないもの)

 したがって答えは2です。




コメント

コメント一覧 (2件)

  • お尋ねします。
    完全攻略ガイドの練習問題(p169)5ヴォイス 3-4 授受表現(使役に近い意味)・・①息子に迎えに来てもらった
         ②先生に本を貸してもらった
         ③部下に説明してもらった
         ④電気屋に修理してもらった
    観点の異なるものは②が正解となっていますが、違いが判然としません。
    「使役」とあるので、①「来させる」③「説明させた」④「修理させた」と言い換えることが可能です。ところが②は言い換えがしにくいので、正解とするのでしょうか。
    ご教示頂ければ助かります。よろしくお願い致します。

    • >山法師さん
      毎日のんびりの高橋です。お答えします!
      典型的な使役とは、使役者が被使役者に何らかの行為を強制することを表します。被使役者よりも使役者のほうが立場が高い場合は、仮にお願いであっても強制力が高まります。つまり、①③④は形式上「~してもらった」を使っていますが、実際は被使役者に行為を強制させるような使役になっています。

      ①親と息子という関係
       →親のお願いにはある程度強制力がある(強めの使役)
      ③上司と部下の関係
       →上司のお願いには強制力がある(強めの使役)
      ④お客さんとお店の関係
       →お客さんのお願いには強制力がある(強めの使役)

      ①「来させる」③「説明させた」④「修理させた」と使役形に言い換えられるのはこのような仕組みだからです。

      ところが②はそうではありません。
      先生と学生の関係ではありますが、目下である学生が目上の先生にお願いをして、先生が許可した結果本を貸した。言い換えて「本を貸してもらった」となっています。学生は先生に本を貸すことを強制しているわけではありません。その証拠として使役形に言い換えることはできなさそうですね。だから答えは②なのだろうと思います。

      ちなみに… ご質問のように①③④は使役形「させる」を用いて言うことができるんですが、この問題ではは「させる」を回避して「~てもらう」を使っています。

      ①息子に迎えに来てもらった ⇔ 息子に迎えに来させた
      ③部下に説明してもらった ⇔ 部下に説明させた
      ④電気屋に修理してもらった ⇔ 電気屋に修理させた

      「させる」を使うと、仮に立場が上の者であっても強制的かつ尊大な感じがすると思います。そういったニュアンスを取り除くために「~てもらう」が代用されます。こうすると聞き手や聞き手以外に対する配慮がうかがえ、全体的に柔らかい言い方になりますね。行動の決定権を相手に委ねるような言い方です。ですから「させる」は尊大使役文、「~てもらう」は謙譲使役文と呼ばれたりもします。

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