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結果目的語(object of result)
結果目的語(object of result、もしくはeffective object)とは、「動詞の表す動作の結果生じる制作物を示す目的語」(安藤 2005: 37)のことです。
(1) 地面を掘る。
I dig the ground.
(2) 穴を掘る。 (結果目的語)
I dig a hole. (結果目的語)
例文(1)も(2)も「掘る」という動詞が使われていますが、その目的語として文中に示されている(1)の「地面」と(2)の「穴」は述語に対する意味役割が異なります。(1)は「掘る」という動作を行う前からすでに「地面」は存在していて、その地面に対して「掘る」という動作で働きかけることを意味します。一方、(2)は「掘る」という動作が行われる前に「穴」は存在せず、掘った結果「穴」が生じています。この(2)のように動作が表す動作をした結果生み出されたものを表す目的語を結果目的語と言います。
結果目的語を取る日本語の動詞
結果目的語ではない用法 | 結果目的語の用法 | |
(3) | – | 家を建てる。 |
(4) | – | 絵を描く。 |
(5) | – | 雪だるまを作る。 |
(6) | 紙を折る。 | 鶴を折る。 |
(7) | 具材を煮る。 | チャーシューを煮る。 |
(8) | 水を沸かす。 | お湯を沸かす。 |
(9) | お米を炊く。 | ご飯を炊く。 |
(10) | 名前を書く。 | 記事を書く。 |
(11) | お肉を焼く。 | 陶器を焼く。 |
(12) | 手を握る。 | お寿司を握る。 |
(13) | ボールを打つ。 | 刀を打つ。 |
(14) | 髪を編む。 | マフラーを編む。 |
上表のうち、左側はヲ格名詞が結果目的語ではない例で、右側が結果目的語の例です。(3)~(5)の動詞「建てる」「描く」「作る」などは結果目的語しか取らない動詞です(と思われます)。(5)~(14)の「折る」「似る」「沸かす」などの動詞は結果目的語をとることもあれば取らないこともあります。
結果目的語は「~の結果~ができた」などに言い換えられるかどうかで判別可能です。
例えば右側の(3)においては「建てた結果家ができた」、(7)は「煮た結果チャーシューができた」、(13)は「打った結果刀ができた」などと言えます。左側の例文はそうした言い換えができないので結果目的語ではありません。
参考文献
安藤貞雄(2005)『現代英文法講義』pp37-38.開拓社
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