6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【敬語練習問題】(66)規範的な立場から見て誤用とされる敬語

【敬語練習問題】(66)規範的な立場から見て誤用とされる敬語

規範的な立場から見て誤用とされる敬語の使い方の例として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
 
 1 田中様はお忙しくていらっしゃいます。
 2 田中様は今日はここにお泊りになってください。
 3 田中様が参られましたよ。
 4 田中様にご案内申し上げます。











解説

選択肢1

 立てるべき相手である「田中様」の「忙しい」という状態には尊敬語を用います。
 「お忙しいです」でもいいし、「です」をさらに尊敬語にして「お忙しくていらっしゃる」としてもいいです。
 これは規範的な立場から見ると正用。

選択肢2

 立てるべき相手である「田中様」の「泊まる」という行為には尊敬語を用います。
 尊敬語「お~なる」を用いて「お泊まりになる」としているので規範的な立場から見ると正用です。

選択肢3

 立てるべき相手である「田中様」の「来る」という行為に敬意を示すには尊敬語「いらっしゃる」「来られる」などを用いるべきです。
 しかしここでは謙譲語Ⅱ「参る」に尊敬表現「~(ら)れる」をつけた「参られる」を用いています。
 規範的な立場から見ると「参る」は用いるべきではありません。

選択肢4

 立てるべき相手である「田中様」に対する自分の行為「案内する」には謙譲語Ⅰを用います。
 謙譲語Ⅰの形式「ご~申し上げる」を用いて「ご案内申し上げる」としているのは規範的な立場から見て正用です。

 答えは3です。




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