6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題7解説

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平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題7解説

問1 CEFR

 詳しくは以下を参考にしてください。
 ・https://jfstandard.jp/pdf/whole_standard.pdf
 ・https://jfstandard.jp/pdf/cando_6levels.pdf

 1 B1レベルの記述です。 「意見や計画の理由を短く述べる」がポイント
 2 B2レベルの記述です。 「かなり広範囲な話題」がポイント
 3 A1レベルの記述です。 「助け船」がポイント
 4 A2レベルの記述です。 「身の回りの状況」がポイント

 したがって答えは4です。

問2 NHK NEWS WEB EASYのガイドライン

 やさしい日本語
 日本語に不慣れな外国人にも理解できるよう分かりやすくした日本語のこと。1995年1月の阪神・淡路大震災で日本語に不慣れな外国人に必要な情報を伝えることができなかったことがきっかけとなり、災害発生時に適切な行動をとれるように考え出された。

日本語教育の教材や、やさしい日本語の評価実験などを通して、やさしい日本語の書き方のガイドラインを以下のようにしました。
 
・自然な日本語とする。
・文の長さを50文字以下にする。
・外国人が受験する日本語能力試験(初級)の範囲の単語と文法を使う。
・中心的な情報だけ残す
 - http://www.nhk.or.jp/strl/onepoint/yasashii.htmlより引用

 1 JLPTに初級という記述はないですが、少なくともN2は初級ではありません。
 2 周辺的な情報は加えません。
 3 1文の長さは50文字以下です。
 4 正しいです!

 したがって答えは4です。

問3 トップダウン処理とボトムアップ処理

 この授業の目標は「ニュースを聞いて要点を掴むこと」、そして「読んで詳細を把握すること」です。活動の手順②では一文ずつ区切りながら聞き取れた言葉を板書して、意味をしっかり確認する作業をしています。これはボトムアップ的な活動です。

トップダウン処理 既に持っている背景知識や文脈、タイトル、挿絵、表情などから推測しながら理解を進めていく演繹的な言語処理方法のこと。
ボトムアップ処理 単語や音、文法などの言語知識を用いて、細かい部分から徐々に全体の理解に繋げていく帰納的な言語処理方法のこと。

 選択肢4は「トップダウンの理解を促す」とありますが間違いです。この活動はボトムアップの理解を促します。トップダウンは意味をしっかり理解するような活動をせずに、推測しながら理解を進めるようなやり方です。

 したがって答えは4です。

問4 NHK NEWS WEB EASYのガイドラインに則った書き換え

 HK NEWS WEB EASYのガイドラインは以下。これに則って「やさしい日本語」に書き換えます。

・自然な日本語とする。
・文の長さを50文字以下にする。
・外国人が受験する日本語能力試験(初級)の範囲の単語と文法を使う。
・中心的な情報だけ残す

 第一文目にはこの原稿が一番何を言いたいかを書くと良さそう。とすると…

 この原稿の流れはこんな感じ。
  ①朝食を取らない若者が増えている。
  ②学生たちに朝食を取ってもらいたいので、学生食堂で100円の朝食を提供することにした。
  ③栄養バランスが良い食事は体調にもいいし、学力にもいいから。

 1 話の導入としてこの内容が一番良いです。言葉も簡単になってます。
 2 朝食を提供する理由を冒頭に持ってきても意味分からないです。不適当。
 3 冒頭急に「大学100円朝食」の説明をしても分からないです。
 4 朝食を取らない若者が増えているという実態を踏まえてから、このような内容を述べるべきだと思います。

 選択肢1は冒頭に書く内容として最も適当です。
 したがって答えは1です。

問5 「やさしい日本語」のニュース教材を用いる利点

 1 本来の表現を簡単な日本語に落とし込むため、ニュース特有の言い回しや文体は学習できません。
 2 やさしい日本語になっているとはいえ、内容面は変わらないのでリアルタイムの情報に触れられます
 3 その通りです。簡単な日本語になっただけですから知的活動には繋げられます。
 4 正しいです。やさしい日本語が簡単な学習者には、元々のニュースを見せるようなこともできます。

 したがって答えは1です。

 




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