平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題7解説

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平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題7解説

問1 CEFR

 CEFRのレベル別の解説は『「学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」(CEFR)共通参照レベル: 全体的な尺度』(魚拓)をご覧ください。

 1 B1レベルの記述。「意見や計画の理由を短く述べる」がキーワード
 2 B2レベルの記述。「かなり広範囲な話題」がキーワード
 3 A1レベルの記述。「助け船」がキーワード
 4 A2レベルの記述。「身の回りの状況」がキーワード

 答えは4です。

問2 NHK NEWS WEB EASYのガイドライン

 『http://www.nhk.or.jp/strl/onepoint/yasashii.html』にはこのように書かれています。(2024.08.21現在見られません)

 日本語教育の教材や、やさしい日本語の評価実験などを通して、やさしい日本語の書き方のガイドラインを以下のようにしました。
 ・自然な日本語とする。
 ・文の長さを50文字以下にする。
 ・外国人が受験する日本語能力試験(初級)の範囲の単語と文法を使う。
 ・中心的な情報だけ残す

 1 JLPTに初級という記述はないですが、少なくともN2は初級ではありません。
 2 周辺的な情報は加えません。中心的な情報だけ残します。
 3 1文の長さは50文字以下。
 4 正しいです!

 よって答えは4です。

問3 トップダウン処理とボトムアップ処理

 この授業の目標は「ニュースを聞いて要点を掴むこと」、そして「読んで詳細を把握すること」です。活動の手順②では一文ずつ区切りながら聞き取れた言葉を板書して、意味をしっかり確認する作業をしています。これはボトムアップ的な活動。
 選択肢4は「トップダウンの理解を促す」とあり間違い。この活動はボトムアップの理解を促します。トップダウンは意味をしっかり理解するような活動をせずに、推測しながら理解を進めるようなやり方です。

 答えは4です。

問4 NHK NEWS WEB EASYのガイドラインに則った書き換え

 『http://www.nhk.or.jp/strl/onepoint/yasashii.html』のNHK NEWS WEB EASY ガイドラインは以下。これに則って「やさしい日本語」に書き換えます。

・自然な日本語とする。
・文の長さを50文字以下にする。
・外国人が受験する日本語能力試験(初級)の範囲の単語と文法を使う。
・中心的な情報だけ残す

 第一文目にはこの原稿が一番何を言いたいかを書くと良さそう。とするとこの原稿の流れはこんな感じ。

 ①朝食を取らない若者が増えている。
 ②学生たちに朝食を取ってもらいたいので、学生食堂で100円の朝食を提供することにした。
 ③栄養バランスが良い食事は体調にもいいし、学力にもいいから。

 1 話の導入としてこの内容が一番良いです。言葉も簡単になってます。
 2 朝食を提供する理由を冒頭に持ってきても意味分からないです。不適当。
 3 冒頭急に「大学100円朝食」の説明をしても分からない。
 4 朝食を取らない若者が増えているという実態を踏まえてから、このような内容を述べるべきだと思います。

 選択肢1は冒頭に書く内容として最も適当。
 答えは1です。

問5 「やさしい日本語」のニュース教材を用いる利点

 1 本来の表現を簡単な日本語に落とし込むため、ニュース特有の言い回しや文体は学習できません。
 2 やさしい日本語になっているとはいえ、内容面は変わらないのでリアルタイムの情報に触れられます。
 3 その通りです。簡単な日本語になっただけですから知的活動には繋げられます。
 4 正しいです。やさしい日本語が簡単な学習者には、元々のニュースを見せるようなこともできます。

 答えは1です。

 




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