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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

問1 コミュニカティブ・アプローチ

 ディスカッションディベートは学習者間のインフォメーション・ギャップを利用した活動で、実際のコミュニケーションに近い活動です。このようなコミュニカティブな活動はコミュニカティブ・アプローチの考え方に基づいています。

 1 コミュニティ・ランゲージ・ラーニング
 2 コンプリヘンション・アプローチ
 3 オーラル・アプローチ
 4 これが答え

 答えは4です。

問2 ファシリテーターの役割

 ディスカッションでは教師が積極的に介入することなく学習者間で話し合い、討論させます。基本的には場の進行を円滑にする役割を担うのですが、この役割はファシリテーター(促進者)と呼ばれています。

 1 説明せずに、どのように理解するかは学習者に任せるべき。
 2 ディベートのやり方についての記述だから間違い。
 3 展開や対応は全て学習者に任せるべき。
 4 中立的な立場からの支援としては適切。話し合いが進むように促すのがファシリテーター。

 答えは4です。

問3 伝達能力(コミュニカティブ・コンピテンス)

 コミュニケーション能力と言えばカナル&スウェイン (M.Canale & M.Swain)のコミュニカティブ・コンピテンス (communicative competence)。これはコミュニケーションを行うための能力のことで、以下の4つに分けられます。

談話能力 言語を理解し、構成する能力。会話の始め方、その順序、終わり方などのこと。
方略能力
(ストラテジー能力)
コミュニケーションを円滑に行うための能力。相手の言ったことが分からなかったとき、自分の言ったことがうまく伝わらなかったときの対応の仕方のことで、ジェスチャー、言い換えなどがあてはまる。
社会言語能力
(社会言語学的能力)
場面や状況に応じて適切な表現を使用できる能力。
文法能力 語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力。

 下線部Cの学習者は、否定的な意見を婉曲的に述べるんじゃなくて直接言うようです。場面や状況に応じて適切な表現を選ぶことができていないので、社会言語能力が欠如してます。
 したがって答えは2です。

問4 ディベートに適したテーマ

 文章中に、ディベートは「肯定派と否定派の二つのグループに分かれ」とあります。答えが複数ある中から参加者で話し合いを行うディスカッションとは違い、ディベートは肯定派と否定派の対立構造があります。

 1 ディスカッションのテーマ(考え方は複数があるし、答えが一つに決まらない)
 2 ディスカッションのテーマ(考え方は複数があるし、答えが一つに決まらない)
 3 ディスカッションのテーマ(考え方は複数があるし、答えが一つに決まらない)
 4 ディベートのテーマ(引き上げ賛成派と反対派)

 答えは4です。

問5 ディベートの特徴

 ディベートは肯定派と否定派に分けられるようなテーマで討論します。参加者は自分の意見とは無関係に、いずれかの立場に振り分けられます。

選択肢1

 正しいです。ディベートでは事前準備をするので、こういう時こう言おうみたいな準備ができます。その時に必要な表現をあらかじめ学ぶことができます。

選択肢2

 ディベートではあらかじめ立場を決めますが、学習者自身の意見は尊重されずに、機械的に賛成派か反対派に分けられます。この選択肢は不適当。

選択肢3

 正しいです。相手の意見に対する反論などから、論理的な思考力が養えます。

選択肢4

 正しいです。意見を述べたり反対質問したりする時間が決まっているので、意見は述べやすいです。

 答えは2です。




コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして。日本語教育能力検定試験を受ける予定の者です。いつもこちらのサイトを大変参考にさせて頂いています。問4について、質問させていただきたいのですが。答えは4の消費税率を引き上げるべきか、という選択肢のようですが、なぜ2が間違っているのかが理解できません。2も肯定派と否定派に分けられると思うのですが、いかがでしょうか。

  • >Nomaさん
    こんにちは、コメントありがとうございます。問4選択肢2についてのご質問にお答えいたします。

    ディベートは一つのテーマにすべきです。例えば選択肢2のテーマについて、少子化対策を進めることには賛成ですが、観光客を増やしたりするのには反対という人がいたとします。その人は肯定派にも否定派にも分けられなくなってしまいます。このような複数の選択肢があるテーマはディベートよりもディスカッションに向いています。

    それとこれは経験上の話になりますが、このテーマは意見対立がしにくいと思います。少子化対策を進めるべきですか?という問いに対してはほとんどの人が対策すべきと答える気がします。はっきりした対立構造が見いだせない以上、このテーマを授業で採用しないほうがいいです。

    選択肢2が間違いである理由は以上になります。

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