6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題8解説

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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題8解説

問1 パナラットさんへの助言

 分からない単語がある度に止まってしまうので、その単語を前後関係から推測させるようなアドバイスをすべきです。
 したがって答えは3です。

問2 パナラットさんが利用する教材

 ここではシラバスについて問われてますので、今一度確認。
 シラバスとは教師が学生に示す講義・授業の授業計画のことで、以下のいくつかに分類されます。

構造シラバス 言語の構造や文型に焦点を当てて構成されたシラバス。オーディオリンガルアプローチやサイレントウェイで用いられる。
機能シラバス 依頼する、慰める、同意する、拒否する、提案するなどの言語の持つ機能に焦点を当てて構成されたシラバス。
場面シラバス 「レストランで注文する」や「スーパーで買い物をする」などの使用場面に焦点を当てて構成されたシラバス。
トピックシラバス
話題シラバス
ニーズ分析などを踏まえ、学習者の興味がある内容や実社会で話題になっている話題を中心に構成されたシラバス。
スキルシラバス
技能シラバス
言語の四技能(読/書/話/聞)の中から、学習者に必要な技能に焦点を当てて構成されたシラバス。
タスクシラバス
課題シラバス
言語を使って何らかの目的を遂行することに焦点を当てて構成されたシラバス。ロールプレイなどがこれにあたる。
概念・機能シラバス 機能シラバスと実際のコミュニケーションの場面を組み合わせて構成されたシラバス。依頼する、慰める、同意する、拒否する、提案するなどの言語の持つ機能を用い、実際にコミュニケーションが行われる場面で目標を達成するような活動を進めていく。コミュニカティブ・アプローチで行われるゲームやロールプレイ、シミュレーション、プロジェクトワークなどのこと。

 パナラットさんは飲食店店員で、今後は接客をしたいと考えています。
 接客するには会話中心の教材を使ったほうがよく、接客という特定の場面に絞ったシラバス(場面シラバス)が良いと思います。
 したがって答えは4です。

問3 ヨンホさんへの支援

 ヨンホさんは何を誰にどう聞いていいかも分からない状況ですので、選択肢1のように、とりあえず母語訳一覧を渡しておけば学習の一助にはなります。
 したがって答えは1です。

問4 ヨンホさんの状況を考慮した活動

 1 子ども同士でクイズに取り組むと、分からないことを相手やボランティアに聞く練習にもなります。
 2 ヨンホさんは何を誰にどう聞いていいかも分からない状況です。この活動は難しすぎるうえ、ヨンホさんの状況を考慮していません。
 3 用意されたなぞなぞを機械的に出し合うだけでは、ヨンホさんの状況を改善することができません。
 4 他人への聞き方に関する文型を身につけることはできますが、能動的ではない練習ではヨンホさんの状況を改善することができません。

 したがって答えは1です。

問5 ヨンホさんの母親への助言

 ヨンホさんの母は、ヨンホは韓国ではよく勉強ができたが、日本語が分からないために勉強も分からなくなっていると心配しています。

 1 <資料1>によると、ヨンホさんは日常会話はできます。
 2 ヨンホさんの母の心配を取り除くアドバイスではありません。
 3 ヨンホさんの母の心配を取り除くアドバイスではありません。
 4 ヨンホさんの母の心配を取り除くアドバイスとして正しいです。

 したがって答えは4です。




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