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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

問1 オーディオ・リンガル法

 オーディオ・リンガル法といえば、その授業の中でパターン・プラクティスミニマルペア練習ミムメム練習などを行います。それぞれの練習の詳細についてはリンク先をご覧ください。

 1 ジグソー練習はジグソー法のことかな? だったらオーディオ・リンガル・メソッドと関係なし
 2 拡張練習はパターン・プラクティスの一種です。
 3 ミムメム練習はオーディオ・リンガル・メソッドで使われる練習
 4 ミニマルペア練習もオーディオ・リンガル・メソッドで使われる練習

 答えは1です。

問2 コミュニカティブ・アプローチ

 コミュニカティブ・アプローチは教室で実際のコミュニケーション場面を実現しようとする教授法です。実際のコミュニケーション場面ではインフォメーション・ギャップ(情報格差)、チョイス(選択権)、フィードバック(反応)の3つの要素が見られると考え、これらの要素を盛り込んだ活動を行います。

 インフォメーション・ギャップは学習者間で持っている情報量に差がある状態を指します。情報差があることで、情報のやりとりを行う動機になるため、現実的なコミュニケーションを生み出せるようになります。チョイスは、そのタスクの中で何をするかを学習者自身が決められることを指します。教師に指導などにしたがって学習者が発言する場合、それは学習者自身のチョイスによって発言したわけではありません。現実のコミュニケーションでは、どう言うか、どう行動するかはその人が決めますから、教室でのタスクでも学習者自身が全て決められるようにすべきです。フィードバックは相手の反応のこと。コミュニケーションは相手がいなければ成り立たないので、相手の反応はコミュニケーションに必須です。

 答えは3です。

問3 文法訳読法

 文法訳読法をとる授業では、学習者は教師が説明した文法規則を暗記し、文を母語に訳すことで理解していきます。こういう活動の長所・短所は何でしょう。

選択肢1

 教師が文法規則をしっかり教え、学習者はそれを使って文章を母語に訳していきます。文法規則が導入された後なら極端な話、教師がいなくても一人で学習できます。多人数でもできますし、少人数でも、一人でもできます。この選択肢は適当。

選択肢2

 学習者によって認知スタイルは異なります。例えば単語や文法を直接暗記するような学習を好むタイプの学習者もいますし、逆に暗記よりも視聴覚を使った活動、実際のコミュニケーションを好むタイプの学習者もいます。文法訳読法は基本座学、暗記、翻訳なので、どちらかというと前者の学習者に向いてます。全員が全員一定の効果をあげられるかというとそれは認知スタイルによる。この選択肢は間違い。

選択肢3

 文章を翻訳する活動なので、外国語の文章に触れられるのはメリットの一つです。内容によっては学習者の興味をかきたてられる場合もあります。

選択肢4

 その通りです。教師から明示的に文法規則を与えられてから翻訳作業をするので、分からないという心配も少なくなります。

 答えは2です。

問4 サジェストペディア

 サジェストペディアはかなり特殊な教授法です。学習者の不安や緊張などを取り除くために、教室はリラックスできるような環境作りに徹し、絵画や観葉植物が置かれ、光などにも配慮しします。授業中はクラシック音楽を流しながら、コンサートのような教室活動を行います。一度受けてみたい。

選択肢1

 沈黙期とは言語習得の初期段階に見られる、決まった言葉以外はほとんど話さない時期のことです。サジェストペディアとは関係ありません。

選択肢2

 サジェストペディアで行うやつです。コンサート、クラシック、リラックスなどの言葉が来たら、サジェストペディアだと思ってください。

選択肢3

 レネバーグが提唱した臨界期仮説というものがあります。これは臨界期(12~13歳頃)を過ぎると母語話者のような言語能力を取得するのが難しくなるという仮説です。サジェストペディアとは関係ありません。

選択肢4

 参加者の意見を批判したりせずに自由にアイディアを出し合い、その中で新しくより良いアイディアを生み出していく会議手法の一つ。サジェストペディアとは関係ありません。

 答えは2です。

問5 カウンセリング手法を応用した外国語教授法

 外国語教授法で「カウンセリング」ときたらCLLコミュニティ・ランゲージ・ラーニング)です。カウンセリングの理論を言語教育に応用したので、別名カウンセリング・ラーニングとも呼ばれています。

 1 ナチュラル・アプローチ
 2 TPR
 3 これが答え
 4 サイレントウェイ

 答えは3です。




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