6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

付加詞とは?

付加詞(adjunct)

 補語は、文を完成させるために必須のものと、随意的なものに分けられます。必須の補語を(argument)と呼び、随意的な補語を付加詞(adjunct)と呼びます。結合価の数のことであり、付加詞は結合価には含まれません。なお、寺村(1982)はにあたるものを必須補語(primary complement)、付加詞にあたるものを副次補語(secondary complement)、また必須とも随意的とも言えないようなと付加詞の中間に位置する補語を準必須補語と呼んでいます。

 (1) 彼は         寝ました。
 (2) 彼は     車内で 寝ました。
 (3) 彼は 8時に 車内で 寝ました。

 「寝る」という動詞は “誰が寝たか” という動作主を要求します。この場合は「彼」が動作主であり、です。しかし「車内で」「8時に」と言った場所や時間の情報は「寝る」という事態を表すために必須ではなく随意的な補語です。これらは付加詞にあたります。

参考文献

 斎藤純男,田口善久,西村義樹編(2015)『明解言語学辞典』10,115-116頁.三省堂
 寺村秀夫(1982)『日本語のシンタクスと意味Ⅰ』81-85頁.くろしお出版
 リンゼイ J.ウェイリー,大堀壽夫ら訳(2006)『言語類型論入門-言語の普遍性と多様性』184-201頁.岩波書店




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